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「ーー俺が何しにここに来たんか、分からんか…？」
マスク越しの篭った声は、やっぱりいつもと違う響きで、
怒っているのか、拗ねているのか、呆れているのか、
うまく判別出来なかった。
更に情けないことに、彼の問いの答えさえも分からないから、
もうどうすればいいのか、お手上げだ。
ただ、咄嗟に浮かんだ��ごめんね��の言葉は、
多分ますます彼の表情を曇らせてしまうであろう事だけは、あたしにも分かったから、
どうにか喉の奥で飲み込んだ。
そして次に浮かんだ言葉は、余りにも場違いで、
多分、絶対に正解じゃないよな、と一瞬で判断できた。
だけど、何故だか今度はそれは飲み込めなくて、
呼吸と共に飛び出して、
空気を、鼓膜を、震わせた。
「ーーギュってして…」
さっき、夢だか現実だかわからないけれども、彼の温もりを感じたせいだろうか。
隣に眠っていても、伸ばすことの出来なかった手が、
今は何故だか躊躇いもせずに、彼に向かって伸びていた。
そして自らの足で数歩進んで彼の温もり辿り着く、
その前に…
「ーー正解や。
そのために、来たんやからな。」
彼の、いつもよりも少し低くて掠れたような声が耳元で聞こえて、
背中に少し痛いくらいに彼の腕が巻きついていて、
もう彼に抱き締められていることに気付いた。
その温もりも、感触も、匂いも、さっき泣きながらしがみついたそれと同じで、
(やっぱり、夢じゃなかったんだ…)
なんて呑気に思いながら、
熱が下がったせいだろうか、今度は感情が溢れ出すこともなく、
そっと彼の背中に掌を添えて、彼の鼓動を感じていた。
ただそれだけで、溜め込んで大きな塊になっていた寂しさが、
ゆっくりと溶けて流れて行くのを感じながら…
どれくらいそうしていたのだろうか。
大きな塊がほとんど溶けた頃を見計らうようなタイミングで、緩んだ彼の腕。
「ーーAが、俺のために遠慮して、我慢してくれてるんは、分かってる。
ほんま、今まですまんかった…」
少し体を離し、伏せた目であたしの目を見てそう言った。
「せやけど、もうこんな嘘はつかんといてくれ。
何も出来んかも分からんし、結局はマキちゃんに頼らなあかんくなるんかもわからんけど…
それでも、まずは俺を頼ってくれ。
それやなかったら、一緒におる意味がないやろ…？」
マキの言う通り、
あたしの嘘は信五を傷付けてしまったのだ…
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まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして！コメントありがとうございます！文才なんて恐れ多いっ( ；´Д｀)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして！更新めっちゃ嬉しいです！その文才本当にリスペクトしております、、！更新頑張ってください！！ (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに！笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀｀)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年1月28日 14時
