・ ページ16
静かにそう言った忠義の言葉の意味が分からず、ただその低い声に彼の怒りを感じて、
火照っていた頬や体に水をかけられたような震えを覚えた。
こんな時に発揮してしまった生来の負けず嫌いを一瞬で後悔しつつも、
でも、この関係に戸惑っていた大きな理由はそこなんだから、自分の言い分は間違っていないはずだ、
と怯む自分を鼓舞してもう一度忠義の方を見た。
ーーその瞬間、今度こそ完全に後悔した。
「っ、ただよしっ、、」
気付けば目の前まで迫って来ていた忠義の二つの瞳が、見たこともない色を付けて、真っ直ぐにあたしの瞳を捉えて、
だけど次の瞬間には、もうピントの合わない距離まで近づいていて、
言葉も呼吸も全て飲み込まれていた。
「っ、…ん、、」
首の後ろをガッチリと固定されて、逃げる隙間もない。
苦しいのに、甘い。
激しいのに、優しい。
ーー逃げられるはずがない…
馴染んだベッドの感触を背中に感じた頃には、
あたしも夢中で忠義の髪に指を絡めていた。
「あ〜、ほんま、よぉ我慢してきたよなぁ。」
いつものように、あたしの体に腕脚を絡めて抱き締めながら忠義は言った。
「………」
その言葉に反論する気力もないほど求められた後では、もう疑う余地もないのかもしれないが…
「んー?何でまだそんな顔してるん?」
今までとは違い、正面から抱き締められているせいで、あたしの表情が丸見えな忠義は、
おデコに唇を寄せながら、甘ったるい声で呑気にそんな事を言う。
「ーーやっぱり、意味分かんない…」
疲れ果てて語彙力を失ったあたしの、やっとの一言に、
「さっきからA、それしか言うてへんで?」
呆れたように笑う顔も甘ったるいし、
「意味わからへんのはAの方やろ?
急に俺のこと拒否して逃げようとして…ほんま何なん?」
ギューっと、抱き潰すみたいに強く絡みつく腕までも、やっぱり甘ったるい。
「好きでもない子に、いくら酔おてても一緒に寝てなんて言わへんよ。
しかも一回きりならともかく、Aがおならあかんて何回も言うたやん。
一緒に住もうとまで言わしといて…」
「その前にっ!言うべき事があるでしょ、普通!」
甘ったるい空気に思わず流されそうになったけど(ある意味、もう流された後だけど…)、
何であたしが責められる展開なのよ?
「俺はさっきから言うてるやん。
逆に、Aは言うことないの?」
ーーおっと、そう来たか…
1312人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして!コメントありがとうございます!文才なんて恐れ多いっ( ;´Д`)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして!更新めっちゃ嬉しいです!その文才本当にリスペクトしております、、!更新頑張ってください!! (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに!笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます!他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀`)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります! (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめまめた | 作成日時:2020年1月28日 14時