抱き枕（緑） ページ1
「Aがおらな寝れんのやって…」
すがるようにあたしの腰に腕を回して、自覚ありありのあざとい上目遣いでそんな殊勝な事を言う、
この男は狡い。
ーーまぁ、あたしも他人の事は言えないけれど…
仕方なくベッドの淵に座る忠義の隣に腰をおろすと、安心したように微笑むのだから、
本当に狡い、ずるい…くそぉ…
どうやらあたしはこの男のこういう顔にめっぽう弱いらしい。
「ーー酔っ払ったら一人で寝れるから付き合えって言ったくせに…最初からこうするつもりだったんでしょ。」
まんまと騙されて部屋飲みに付き合ったあたしが馬鹿だった。
ん？とあたしの質問に答えることなく、首を傾げて誤魔化すその顔すらも可愛くて、
一体どれだけの女がこの顔に騙されたんだ…と小さく溜息をつく。
「Aやって、このままウチ帰っても寝られんのやろ？
ちょうどええやん。」
悪びれもせずそう言い放つ忠義に、やっぱりさっきの殊勝な顔は演技か！
と舌打ちしつつも、
「シャワー貸して。
あと、スウェットも。」
そう言って、バッグから簡単なお泊りセットの入ったポーチを出すあたしも、
結局はこうなる事を望んでいたのかもしれない…
そう、狡いのはお互い様なのだろう。
だけど、
この男の考えている事は、
やっぱり、さっぱり分からない。
二人ともシャワーを浴びて布団に潜り込めば、
忠義はその長い腕と脚を遠慮なくあたしの体に絡み付けてあたしを抱き潰し、
「はぁぁぁ…やっぱしAが一番落ち着くねんな…」
と満足気に呟く。
(他の誰と比べての��一番��だよ？！)
と言う言葉は飲み込んで、目を閉じて背中に感じる鼓動と耳元に聞こえる呼吸音に集中する。
そう、余計な事は考えない。
考える必要もない。
そうすれば自然と心地良い睡魔が訪れて、あたしの意識も思考も奪い去ってくれる。
それなのに…
手放し掛けた意識の端を引っ張るように、あたしを引き戻すこの男は、
何を考えているのか…
いや、何も考えていないのだ、きっと。
ふぁ〜…
と小さな欠伸を漏らした後、
「もう面倒いから一緒に住んだらええやん…」
そう呟いて、
だけどあたしの返事を待つことなく、呼吸を深く、緩やかにしていった。
取り残されたあたしは、最早呆れるしかない。
何でこんなタイミング？！
とか
返事も聞かずに寝ないでよ！
とか
そういう話ではない。
「ーー��抱き枕��に何言ってるのよ…」
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まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして！コメントありがとうございます！文才なんて恐れ多いっ( ；´Д｀)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして！更新めっちゃ嬉しいです！その文才本当にリスペクトしております、、！更新頑張ってください！！ (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに！笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀｀)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年1月28日 14時
