カタオモイの終着点(橙)続き ページ1
「いや、Aの妄想の中の丸山さん、どんだけ人非人やねんっ」
呆れたようにヤスは言うけど、
「だって、ものすごいリアルに脳内丸山さんがそう言ってくるんだもん。」
暗い目をして、だけど柔らかい微笑みを浮かべた丸山さんの顔や、優しくて、だけど真っ平らな声が、それはもうはっきりと思い浮かぶんですよ。
見事撃沈した週末の話と、そこから導き出した自分なりの結論を、昼休みにおっちゃん達がひしめくうどん屋のカウンターでヤスに話せば、
「ーー二人とも、面倒くさいわ…」
はぁ、とわざとらしいくらいのため息をついてから呟かれたヤスの言葉。
「ん?二人ともって何よ?」
「Aも丸山さんも、めんどいねん!」
少し頬を膨らませるようにして睨みつけてくるヤスの目は、全然怒っていなくって、
むしろ単なる可愛い上目遣いだし。
口元なんかは少し笑っているし。
「え?何、意味分かんないし、なんでニヤけてるの?」
そりゃあ、毎度毎度愚痴と相談と弱音を吐き散らかすあたしが面倒くさいと言われるのは致し方あるまい。
しかし、なんで丸山さんまで面倒くさいって言われてるのか。
て言うか、なんだよ、その顔。
「ーーいや、何だかんだ、他人が迷走してる姿っておもろいし、愛おしいやん?」
表情を抑えることをやめたヤスは、
目尻シワっしわにして、可愛い前歯を覗かせて、天使のような笑顔で言った。
ーー前々から思っていたが、ヤスって多分ドSだな…
「あ、俺ミーティングの準備せなあかんから、もう行くわ。」
「えっ、ちょっ、」
突然席を立ったヤスに驚くあたしの器には、まだ1/3ほどの麺が残っていて、
「Aはまだのんびり食うていきや〜」
そんなあたしを一人残して、ヤスは颯爽と会社に戻って行った。
丸山さんの何が面倒なのかは語らぬまま。
そうして、うどんと疑問と孤独と共に取り残されたあたしは、モヤモヤを抱えながら、黙々と残りの麺をすすった。
『今日のランチはAちゃんの好きな味噌カツ〜☆』
ちょうど食べ終わって店を出たタイミングで届いた、いつもの丸山さんからの写真付きランチ報告。
『いいなー。
あたしはヤスとお馴染みの岡田屋の肉うどんでした。』
こんなやりとりも、もう日課のようなもの。
食べるのが好きな丸山さんは、色んなお店を開拓しているようだ。
ーーだけど、
丸山さんからランチに誘われたことは、一度もない。
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さくらもち - 更新されていた当時からこっそり読ませて頂いていました。久しぶりに読んでみて、やっぱりまめまめたさんの作る世界が大好きで、ずっと1番です。もうここにはいらっしゃらないかもしれませんが、どうか届きますように。 (3月7日 2時) (レス) id: 5f7a39fac4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆今回も最後までお付き合いありがとうございます!こんな贅沢な眠れない夜なら大歓迎ですよね(//∇//)続き、やっぱり気になります?今妄想中のお話が書けたら、続編頑張ってみようかなぁ… (2021年6月4日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 飲みの帰りに大倉くんに焼きモチ焼かれて、安田くんに1日一人占め宣言されて、横山くんがゲロ甘…。こんな夜過ごしたらバチ当たるよね!バチ当たりたい!!続編、何卒m(__)m (2021年6月4日 2時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆新しいアルバムの特典とかにどうですか?!笑 お願いします、インフィニティさん(^人^) (2021年1月25日 13時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - え…この乙女ゲーム、どこでダウンロードできますか?(笑) (2021年1月23日 2時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめまめた | 作成日時:2020年9月9日 13時