5話 ページ6
息を切らして
来た道を戻る。
早く、被害者の人に会わなければ。
もしもこの考えが当たっていたら
結構まずいことになる。
眼鏡の少年は、とにかく一つの
病室を目指し走った。
個室の一番端の部屋
2156の部屋番を確認し、
勢いよくドアを開けた。
「なっ…！」
その部屋は、もぬけの殻同然。
被害者の人は、ベッドの上にはいない。
遅かった。
「くそ！」
眼鏡の少年は殻になった
病室の中で、歯を食いしばった。
一方その頃、私はまだ痛むお腹を抑えながら
病院の裏の歩道を歩いていた。
行く人行く人に見られて恥ずかしい。
まあ無理もない。顔面蒼白の女が
明らかに病院のものと分かる寝衣を纏って
お腹を抑えながらフラフラと歩いていたら
私だって見てしまう。
とにかく、名探偵コナンの登場人物に
会うのは避けた方がいいという私の勘のもと
衝動的に出てきてしまったが…
携帯や財布と言ったものを私は持っていなかった
らしく、今私が持っているものは
この寝衣とお腹を包んでいる包帯くらいだ。
この先どうしたらいいものか。
とにかく人目が刺さる私は、大通りから
細い裏路地へ移動した。
細い路地から細い道へと移動していたら
日は沈み、とっくに星が見える暗さに
なっていた。
そこで、顔を上げた瞬間
とても見覚えのある街並みに
なっている事が分かった。
ここはまずい、ここは毛利探偵事務所が
近くにある道のはずだ。
Uターンしようとした時、
私の逃れられない運命が動き出した。
ガッと肩を掴まれた。
ぶわっと嫌な汗をかく。
顔は見ていない、が
振り向いてはいけないと
警告のシグナルが私の頭で鳴っている。
「こんなところで、病人が何を
しているんですかね。」
あ、終わった。
声だけで分かる。
この人は今最も関わってはならない。
「こちらを向いていただけませんか。
病院への道が分からないのなら教えますよ。」
それでも向かずにいる私に
彼は肩を掴んだまま私の前に移動した。
「怪しい者ではありません。
僕、実は探偵をやってまして。名前はｰｰｰｰ」
そこまで言って、私は今まで下を
向いていた頭を思いっきり上げ、
叫んだ。
「ちっ、 痴漢ー！！！！！」
「は…」
肩を掴んでいた力が抜けたのがわかり
その瞬間今できる全力の走りで
その場を駆け抜けた。
が、しかし、この人物に勝てるわけがなく
すぐに追いつかれ首の後ろを
どつかれる。
私は意識を手放した。
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花音(プロフ) - いえいえ大丈夫です(* ´ ▽ ` *)無理しない程度に頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月4日 13時) (
レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。最近ペース落ちてて申し訳ありません。頑張ります！ (2018年7月3日 21時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！！ (2018年7月3日 5時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 蒼さん» 感想ありがとうございます。初めて作品を作るので至らない部分があるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします！ (2018年6月24日 10時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 初めまして作品とてもよかったです。今後の展開がどのようになるのか気になるので続き楽しみにしています。 (2018年6月24日 9時) (レス) id: 0cf1ca60f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酸化銅 | 作成日時：2018年6月22日 22時
