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13話 ページ14

お粥を食べ終わり、ウトウトしていたら
いつの間にか熟睡していた私は
安室によって起こされる。
起きて窓を見ると夕日が差し込んでおり、
1日、ほぼ寝ていたという結論に至った。


「起きてください。包帯を変えます」


「えっとそれはつまり」


「服を上にあげて。お腹が見えるくらいで
いいので」


ですよね。
と、私は諦めた。
20代後半にも突入して、
しかも顔の良い男に手当をしてもらうなんて
情けない。


慣れた手つきで処置をしていく安室を
じっと見ていると、安室が怪訝な顔をした。


「なにか」


「慣れてるんですね、手当」


「まあ、職業柄。」


「…探偵なのに、私を警察から
隠して、保護なんかしていいんですか。」


ピクっと彼の手が動いた。
しかし、私の質問はスルーされ
終わりましたよ。と微笑む彼に
都合の悪い質問はスルーですか。そうですか。
と言ってやりたいが、心の奥底に閉まった。


「さて、それでは貴女にいくつか
聞きたいことがあるのですが。」


彼は私の目を真っ直ぐ見る。
その鋭い瞳に吸い込まれ、私は気付いた。
この目、この人を冷酷に見下ろす目は…

降谷零だ、と。


「……しばらく安静にさせてくれるんじゃ?」


「2杯もお粥を頬張る力があるのだから
会話くらい造作もないはずだが。」


痛いところを突かれた。
そして、口調が変わったーーーー
安室が… いや、降谷と呼ぼう。
降谷が本気になったに違いない
私から情報を搾り取るつもりだ。

文字通り、一滴残らず。


「貴女の依頼を受けると約束しました。
情報が欲しい。知っていることを全て
教えてください。」


さて、私はこちらの世界の住人ではない。
その事実を話したところで、降谷零に
鼻で笑われ、精神科にでも
連れていかれるのがオチだ。
この事を主要人物に話すのは
得策ではない。

先日聞いた話から察するに、
降谷は組織と私の関連性を調べたいはずだ。
生憎、こちらは被害者。
組織との関係はそれ以上でも以下でもない。

ここは、殺 人現場を目撃した旨を伝えて
私の白を主張するのが懸命だろう。


「警察の人にも話しましたが、私は
あの日、あの道路の現場で男の人が
射 殺される瞬間を見てしまいました。」

「それで?」

「次の瞬間、ジンがーーーー」


ハッとする。
しまった。しまった。やってしまった。
つい、 つい名前を…

降谷を見ると目が一層鋭くなっている。
完全に墓穴を掘った。


「なぜその名前を知っている?」


彼の低い声音が響いた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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花音(プロフ) - いえいえ大丈夫です(* ´ ▽ ` *)無理しない程度に頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月4日 13時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。最近ペース落ちてて申し訳ありません。頑張ります! (2018年7月3日 21時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!! (2018年7月3日 5時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 蒼さん» 感想ありがとうございます。初めて作品を作るので至らない部分があるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします! (2018年6月24日 10時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして作品とてもよかったです。今後の展開がどのようになるのか気になるので続き楽しみにしています。 (2018年6月24日 9時) (レス) id: 0cf1ca60f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸化銅 | 作成日時:2018年6月22日 22時

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