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12話 ページ13

被害者が謎の疾走を遂げてから
2日が経った。

組織と何かしら関与しているに違いない
被害者からの話を聞くことが
できなかった眼鏡の少年、もとい
江戸川コナンは未だなんの進展もない
この状況にひどく焦っていた。


被害者は、病院の寝衣のまま
手術のすぐ後に慌てて出ていったはずだ。
財布や携帯などは持っておらず
身元の確認も取れないとなると家すら
ないのだろう。


すぐ見つかるに決まっている。
決まっているのに、だ。


「なんで見つからねえんだ…」


江戸川コナンは、顎に手を当て
なにかを考えている。
そんな彼を済ました顔で見る少女ーーーー

灰原哀は大人びた、静かな声で少年に
話しかけた。


「とっくに、組織に回収されてたりしてね。」


ソファに座っている灰原哀は
そう言うと先程まで操作していたパソコンを
閉じ、腕を組んで少年に近寄った。
江戸川コナンは、灰原哀に目を向け
どういうことだよ、と睨む。


「簡単な話よ。」


少女は淡々と話し始めた。


「もし、その事件に組織が関わっていたとして、
彼女が組織の一員なら、ジンが見過ごすはず
ないわ。大方、被害者の人が任務中に
何かミスをして、ジンが直々に制裁を。
しかし、被害者の人を回収する前に
何かその場から離れなければならない事が
出来てしまった。
と、言ったところかしらね。」


そして、と彼女は続ける。


「そんなミスをした組員を
野放しにするなんて、しないはずよ。」


筋は通っているが…
しかし、それなら何故被害者は
組織の事を警察に話さないのだろうか。
一度殺されかけているのだから
全て話して警察の保護下にいた方が
安全なはずだ。それに…


「でもよ、それだと"二発目の銃弾"の
証言と矛盾するじゃねえか。
被害者を回収する時間がないなら
現場に細工するような時間もねえだろうし。
近所の人だって、たしかに二発聞いたって
証言してんだぜ。」


「さあ。近くでヘビ花火でも
やってたんじゃない。」


「そんな馬鹿なことあるかよ
今は冬だっつの」


「冬にだって花火をやるかも
しれないじゃない。」


灰原哀の返答に、思わず力が抜けてしまった
江戸川コナンは呆れたような目で
少女を見た。
自分の言ったことを本気にされたと
思ったのか、灰原哀は目をすくめて
「冗談よ、冗談」と零した。


「はあ…。高木刑事にその後の捜査の成果でも
聞いてみっか。」


少年はスマホをポケットから取り出し
コールした。
その様子を灰原哀はただ、見ているだけだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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花音(プロフ) - いえいえ大丈夫です(* ´ ▽ ` *)無理しない程度に頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月4日 13時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。最近ペース落ちてて申し訳ありません。頑張ります! (2018年7月3日 21時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!! (2018年7月3日 5時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
酸化銅(プロフ) - 蒼さん» 感想ありがとうございます。初めて作品を作るので至らない部分があるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします! (2018年6月24日 10時) (レス) id: 7ccb4bdc66 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして作品とてもよかったです。今後の展開がどのようになるのか気になるので続き楽しみにしています。 (2018年6月24日 9時) (レス) id: 0cf1ca60f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸化銅 | 作成日時:2018年6月22日 22時

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