雪の降る病院９

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向井side




めめが眠りについて一時間くらい経ったやろか。






病室のドアをガラッと開けると、


なんだか甘い匂い。







この匂い心当たりあんねんけど、、、、




やっぱりな、、、、









地面に落ちた針のまわりに水溜まりが広がる。


そしてその針と点滴はチューブで繋がっとる。



つまり点滴が漏れてんねん、、、









そしてこの針、布団被っとるこの子に

繋がっとったはずやねんけど、、








向「めめ？めめ？ちょっと起き。」




とりあえず止血確認はせなアカン。







でも布団を意地でも離すまいと

抵抗するめめのおかげで布団が剥がれん。






向「めめ？わかるやろ？起きとるやろ？

、、出ておいで。」







グスッグスッと布団の中から聞こえてきた。



これから怒られるのわかってんねんな？








でも怒るやん。



針はイヤでも抜いたらアカンでって

ずっと言うてんねんから。






まあ、こうなることちょっとは予想はついてたけどな。







向「、、、じゃあ顔見せんでええから、

刺さっとったとこ見るから腕だけ出して。」






すると一本の細くて白い腕がニュッと現れる。






白い腕に小さなキズがひとつ、

でそこから血液の垂れた跡が乾いた線が一本。





無理やり抜いたから傷口広がってんねん。






向「めめ？自分で無理やり抜いたら痛かったやろ？



無理やり抜いたら傷口大きくなんねん。



傷つくの自分やねんから

もっと自分の身体に優しくな。」






血液を拭き取り、絆創膏を貼る。






「、、、よっしゃ終わり。

手引いてええよ。」




スッと布団の中に手を戻しためめ。





点滴、どうしよ、、、


刺しても、刺さんくてもアカン。



ホンマどうしよ。

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