16 ページ16
阿部side
久しぶりの休み。
午前中はゆっくりして、午後から買い物。
いろいろ買った帰りに特に用もないけど本屋に立ち寄る。
元々本は好きだからなんか新しいの買おっかな〜なんて思いながらうろついてた。
本をパラパラめくっていると隣で立ち読みしてる男の子。
ん？
見覚えがある。
えっ？見覚えしかない！！！
なんでここにいるの？！！
そう思ったときにはもう口から出ていた。
阿「翔太？！」
俺の存在に気づいて目を丸くしたあっちは慌てて本を置いて俺から逃げる。
これはヤバイ！！
阿「ちょっと待って翔太！」
他のお客さんのことなんか気にせず叫んだ。
翔太は病弱児とは思えないスピードで出口に向かって駆けていく。
俺も慌てて本を戻して追う。
俺だってそんな年いってねえぞ、
おい待て！
駐車場に出たころ向こうが静かに止まった。
それもそうだ。
だってあっちは普段からの運動禁止、しかも呼吸で入ってくる空気は乾いた冷気。
苦しいに決まってる。
翔太の手を取って尋ねる。
なんとなく分かるけど笑
阿「翔太？病院は？」
ﾌﾙﾌﾙ
無言で首を振る翔太。
今気づいたけど手もだいぶ冷たい。
このままではいけない。
暖かい場所を、と思って見渡すとチェーン店の喫茶店。
ここしかない。
阿「ちょっと寒いからここ入ろうか。」
事情はわからないけどとりあえず喫茶店へ連れ込む。
ドアを開けると飲食店特有の暖かい店内。
よし、ここで話を聞こう。
ホットココアを二つ頼んで席につく。
阿「翔太苦しくない？」
ｺｸｯ
頷いたのを見て話を始める。
阿「えっと、まず〜、、、先生達知ってる？」
ﾌﾙﾌﾙ
だよね〜脱走だよね。
阿「じゃあ、、先生から連絡するね。」
翔「やめてっ、、」
やっと口を開いた翔太。
阿「じゃあ、先生が送ってくから、俺と一緒にいて無事だよってことだけ伝えさせて。」
翔「、、、わかった。」
ケータイから病棟にかけると電話の向こうから、よかった〜との声。
やっぱり探されてたのね。
電話を切って翔太を見ると気まずそうにこちらをチラチラ見てる。
阿「みんなよかった〜って言ってたよ。」
翔「、、、、、」
翔太がうつむく。
窓の外はどんよりと曇った空から雪が降ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃんりお(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています(>_<) リクエストなのですが、目黒くんの検査話や、全く栄養が採れず、経管栄養をやるお話がみたいです。できれば、ラウこじ付き添いがいいです(..) (2020年12月29日 9時) (
レス) id: c5e323d3b7 (このIDを非表示/違反報告)
せら - 受験がんばってください！！！！！無理のない更新楽しみにしています(^o^) (2020年12月26日 20時) (レス) id: 644e6bb056 (このIDを非表示/違反報告)
せら - めめが検査のために絶対安静でトイレに行くこともできずおむつをしないといけないお話が読みたいです。それに加えて院内学級にもいけずふっかたちにあたってしまうけど受け止めて慰めるお話が読みたいです。よろしくお願いします (2020年12月14日 23時) (レス) id: 644e6bb056 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - リクエストまだ良いですか？しょっぴーとふっかが喧嘩して、その流れでしょっぴーの容態が急変。一次心肺停止になって中々目が覚めない…。みたいなのは可能でしょうか…？良ければ是非お願いします！ (2020年12月13日 21時) (レス) id: b640c9e13f (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読ませていただいています！目黒くんが高熱で退行してしまったり、失敗してしまったりする話が読みたいです。できれば、康二くんが付き添ってほしいです。これからも楽しみにしています！ (2020年12月13日 16時) (レス) id: 24c4976947 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(名前)
| 作成日時：2020年12月5日 15時
