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C.yuri side


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ピロティに張り出されたクラス分けを頼りに
2-Aの教室へ向かい扉の前で一呼吸。


扉をそーっと開けたら、
誰も僕に見向きなんてせずにお喋りに夢中。


隣の席が空席なのを気にしつつ着席したら
ほとんど同時にチャイムが鳴って、



「 ほら、早く座れー。」



新品の出席簿を指揮棒のようにして
不良達を牽制するように教室に入ってきたのは

みんなから物知りと評判の、歴史担当・薮先生。

..無知な不良しかいない底辺校なんだから、
人並みの知識があれば物知り扱いされるだろう。
そう思っていたのだが、どうやら違うらしい。

同期の光先生によると、 「余談の薮」 と呼ばれるほど
博識で、それ故に余談がつい多くなってしまいがち。

言われてみれば、薮先生の授業はよく話が脱線してる
覚えておいて損は無い内容ばかりなんだけどね。



ふと、扉の磨りガラスに映る人影に気付いたと同時
薮先生が、いつものやさしい声でこう言った



「 早速だけど転校生の紹介。」



ほら入って、の合図と共に入ってきたのは

華奢で顔も綺麗に整ってる 垢抜けた男の子
簡潔に言うなら、イケメンだ。




「 ..と、 山田涼介です。 」



にこ、と微笑む様はまるで売れっ子俳優
悪い人になんて見えないけど ..。

なんでこんな学校に入ってきたんだろう。




山 「 せんせ、俺の席あそこ? 」


薮先生が頷いたのを確認して、
イケメンが僕の方に向かって歩いてくる。


そして 僕の隣の席に腰掛けて、僕の目を見る


「よろしくね。 .. 名前はさっき言ったからなあ
うーんと、好きな食べ物は、イチゴ。 」




.. 不思議な人だな。



『 ..よろしく。ぼく、知念侑李。餃子が好き。』



話しかけられると思っていなかったから、
心の中にある人見知りスイッチはオフのまま。
それを無理矢理、オンにしてしまったもんだから
ロボットのような口調になってしまった。



ぶは、と吹き出したイケメンが
綺麗な顔をくしゃくしゃにして笑う。



なんだよ、人見知りの僕がせっかく名乗ったのに。



.

俺は→←_



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飴玉(プロフ) - 菜子さん» コメントありがとうございます!!読んでいただき有難うございます〜!!そう言って頂けると本当に嬉しいです(;_;) (2019年1月8日 6時) (レス) id: 64b07fc015 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - やまちねのこういう関係好きです。。読んでいる側が心温まる作品ですね♪ (2019年1月6日 20時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飴玉 | 作成日時:2019年1月5日 18時

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