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Daiki side
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「 どう、って言われても、.. 」
ヒカの言葉を理解した途端、色々な単語が頭を埋め尽くしてパンクしそうで、何も言えず視線をヒカに向ける
『大貴、侑李と話している時を思い出して』
ヒカの右目が綺麗な檸檬色に輝いて、俺の黒目がちな瞳を捉える。なんでも、ヒカは吸血鬼の中でも特別で思考と感情を読めるらしい。それに気付いたのはヤブだ、って昔そう聞かされた。ヤブも何か出来るらしいけど..それが何かは忘れた。
瞳を捉えられて数秒 、そんな事を思い出していたら
『 .. 侑李と話してる時のこと思い出せって、 』
そう言われて、ふと我に返る。できるだけ他のことを考えないように.. 侑李の笑顔や眠る顔、鼻にかかる声で俺の名を呼ぶ侑李、この1日を振り返るように 頭に浮かべた。今朝の事を思い出して、やっとヒカの瞳から檸檬が消える
『 大貴は犬、..獣人なんだ 』
そんなこと分かってるよ。
『 侑李は、何も知らない人間 』
その言葉を聞いて、怪訝な気持ちでヒカの方を見たら、なんだかヒカが滲んで見えて。
..嗚呼、泣いてるのか、俺。
悲しい?でもなんで。悲しくなんてない。
俺はただ侑李と一緒にいたいと思っただけだ。
..そうか、これが‘恐怖’
いつかヒカに聞かされた事がある。
恐怖に包まれると、悲しくなくたって涙が溢れる。全て終わってしまう、誰も失いたくない、そんな時に恐怖を感じるのだと聞いた。
俺は獣人で、彼は、何も知らない人間。
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飴玉(プロフ) - dieさん» 気付かなかったです、、指摘ありがとうございます。 (2019年5月29日 2時) (レス) id: 64b07fc015 (このIDを非表示/違反報告)
die - サブのスペルはsubです。sudじゃありませんよ (2019年5月23日 8時) (携帯から) (レス) id: db94f04552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴玉 | 作成日時:2018年11月19日 13時