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私の意識が戻ったのは、
メリーゴーランドが止まった時。
岩田さんが馬からいつの間にか降りていて、
「どうぞ、気をつけて馬から降りてください。」
と微笑みながら
私にそう言って手を差し伸べてきた時。
私は素直に岩田さんの手を掴んで、馬から降りた。
「なんか今の俺、王子みたいだったね。笑」
一応、その言葉は少しウケを
狙っているんだろうけど、
『そうですね。。』
軽く放心状態の私はそれしか返せなかった。
昨日距離を置こうとか、考えてたのに、
もっと縮まってしまったこの心の距離を
どうしたらいいんだろう。
私たちは
メリーゴーランドから離れた。
もういつの間にか夜になっていて、
あたりは真っ暗になっていた。
増田「まじ寒いわ。」
ELLY「ほんとに寒い、増田まだいっぱい着込んでんじゃん。」
増田「え?でも寒いっすよ?笑」
何故かエリーさんと仲良くなってる増田。
『ほんとに一気に寒くなったなぁ、』
私がそうつぶやくと、
岩田「じゃあこれ、かしてあげるよ」
隣に居た岩田さんは
自分が来ていた黒いロングコートを脱いで
私にかけてくれた。
『いや、さすがにそれは岩ちゃん寒いですよ?!』
岩田「あー大丈夫、
Aちゃんが風邪ひく方がやだから。」
『えぇーでも、、、』
岩田「いいからいいから」
そう言って、私の元から離れて、
前を歩いている登坂さんと、隆二さんの元に
走っていった岩田さん。
さっきまで岩田さんが着ていたから
より暖かく感じる。
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作者名:ひまわり | 作成日時:2020年11月1日 16時