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壱、貧血の少年と幽霊 ページ2

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夜も尚、鳴き止まずにセミの声が聞こえる。


街に灯りが寂しく光っていた。



「今日も何もなくてつまんないなぁ…」



なんて、毎日のように同じ言葉を繰り返していた。




この時までは。



ドサッ___



夜も深くなってきて、人通りも少ないこの道に聞き慣れない音が響いた。




見るとそこには同じ制服を着た少年。




声をかけるか迷った。




なぜなら、俺には誰も気づかない。


一年前に幽霊になったのだから。



その少年はどうしたものか動かない。




「君…大丈夫…?」



きゅるんとした…という言葉の似合う丸い大きな目。

白く美しい肌も持った少年だった。



?「大丈夫です…。ありがとうございます。」



驚いたものだ。この少年には見えていた。




「あら?…見えてるんだ…!」


?「へっ!?」



「どうもこんにちは。幽霊です。」



ニヒッと笑って言ったのだが、少年は蒼白かった顔をさらに蒼くした。



突然立ち上がるものだから追いかけようかと思っていたら、少年はその途端に蹲る。



?「んっ…ッ…。」



「少年。貧血だよね…?あそこのベンチ、風が通って気持ちいいからさ、治るまで休んでたほうが…!」



ゆっくりと前に倒れてくる少年にする術もなかった。


通行人を探すも見つからない。




大体こんな時間に普通はいない。



「…しょうがないなぁ。」



幽霊ってもんは、人様に見えないから。



物とか持ち上げると絶叫ものでしょ?



だから普段は触らない。触れない。




だけどこの時間帯って、本来人間様は寝てるから、一応触れるようになっていると教わった。




周りに人がいないのを確認し少年を持ち上げた。




「…案外軽い少年だこと。」






久しぶりに人間に触れた。


懐かしい温もりも同時に蘇る。




辛いのか、何度か苦しそうな声が聞こえたが、ようやくベンチについた。



少年をベンチに横に寝かせ、少年が来ていたブレザーを勝手に脱がせ足元に入れる。



「貧血のときって足元高くするんだっけ…?」


合ってるかは不明だけれど、何もしないよりはいいだろう。



横たわる少年の顔色は少しずつ回復していく。




少年の頬に触れると、熱を感じた。




「久しぶりに触れたから、そう感じるだけなのかな…?それとも…熱?」


少年は蒼白い顔だったが、今度は紅色してきた。



「…幽霊が触ると体調不良になるんだっけ!?」



実は他に幽霊界にも決まりがあるのです。

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さき(プロフ) - ciaociaoさん» コメントありがとうございます……!削除する予定なのは謝罪のページのみなので、大変お待たせしてしまいましたが今後も更新させていただきます(>_<)紛らわしい書き方をしてしまい申し訳ないです。お気持ちとても嬉しいです!今後もよろしくお願いします! (8月4日 11時) (レス) @page29 id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
ciaociao(プロフ) - Twitterにおしらせいただいたので、久しぶりに読ませていただきました。もう続きを投稿いただけないとのことで残念です、、お気持ち変わりませんでしょうか、、 (8月4日 7時) (レス) @page29 id: 33ff52010d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めいめいさん» わぁぁ!ありがとうございます!返信遅くなってしまい申し訳ございません……また近々更新します! (2022年6月5日 0時) (レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - いつも読ませてもらってます。更新楽しみにしてます!!! (2022年5月19日 21時) (レス) @page27 id: 3da430cefd (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 桃大福さん» 返信遅くなってしまいすみません…。そういっていただけるとモチベーション凄くあがります!!ありがとうございます! (2021年3月11日 13時) (レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さき | 作成日時:2020年8月8日 1時

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