今日:1 hit、昨日:43 hit、合計:73,354 hit
小｜中｜大
1 ページ2
･
〜 A side 〜
私には、幼稚園から大学の間の記憶がない。
…正確に言えば、“一部の”記憶がない。
家族の名前や学校行事、通学路や友達の名前は覚えている。
だけど、放課後どんなことをしてたか、とか彼氏のこと、とかになると話は別で、全く覚えていない。
俗に言う、“記憶喪失”ってやつなのだと今から何年か前に言われた。
出来ることなら思い出したいその記憶は、思い出そうとすると急に頭が痛くなって体が思い出すことを拒む。
あの頃の私は、失ってしまった記憶にとらわれていたせいでどうすればいいのか分からなくて、不安で仕方なかった。
そんなわたしを救ってくれたのは、あやなだった。
あ｢ねえ、うちと一緒に上京しない？
無理して思い出さなくてもいいじゃん、一旦愛知から離れよ？｣
そうやって提案してくれたあやなのおかげで、今ではもう記憶が戻らなくてもいっか、なんて思えている。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：す て ら 、 | 作成日時：2020年2月20日 14時
