第8話〈赤いマフラー〉 ページ9
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｢す、すみません。あ、余計…でしたよね｣
黒髪で私よりも暖かみのある赤い瞳。それよりも、目に付くそれと同色の私では地面に着いてしまう程長いマフラーを身につけた男性だ
体格の良い男が顔を紅く染め慌ててる姿は注目を浴びるには充分で、｢なんだ｣と選び終わった生徒がチラホラと集まり、それを知った彼はマフラーに少し顔を埋めて今にも倒れそうだった
『詳しいんだね』
｢あ、ありがとうございます。｣
『君のおかげて決まった、白い杖にするよ』
魔力量には今のところ困っていないし、もしそうなった時は先生に相談し返させてもらおう
『君はどんな杖にしたんだい？』
｢うぇ！？…あー、まだ見つかってなくて｣
｢魔力操作が、少し苦手なんや｣と襟足を掻いた彼は私の杖に興味を持って話しかけてしまっと言っていた。杖探しに戻ろうとした彼のマフラーの端を掴むと肩を大袈裟に跳ねさせ、ロボットのようにギギギと振り向く
『私は魔力操作が得意なんだ。お礼に手伝わせてくれないか』
｢…へ、いや、ノールウェルツさんに手伝ってもらうなんて｣
『私の事知ってるんだ、まぁそうか。できたら素直に受け取って欲しい』
｢じゃあ、そのお願いします。あ、俺はトントン・バベルニットです｣
『よろしくトントンさん』と言うとか細い声で｢おん｣と言う彼の手を握り、そのまま指を絡ませた。突然の出来事に慌てる彼だが、繋いだ方とは違う自身の掌に一つの杖が浮いてしっかりと収まった事に驚いていた
杖を握り少し振りながら瞳をキラキラさせるトントンは幼い子供の様でつい笑うと、頬を少し染め睨んだが全然怖くない。寧ろ可愛らしいとまで思える
tn｢ありがとな、この後用事があったから助かった｣
『このぐらいどうってことない、それより』
tn｢まだなんかあったんか？｣
『いつまで手を繋いでいるんだ？』
tn｢！す、すまん｣
初めて手にした杖に夢中になっていたとは言えず、離された手がじんわりと温かい。女性と手を繋いでしまったと感じさせるその温もりに耐えきれなくなった頭は足を動かし、そのまま走り出してしまった
『あ、行ってしまった』
選んだ杖を手に、黒い杖を元の場所に返さなければと辞書からしまう場所の番号を調べ人気の少ない棚まで歩いてきた
『結構遠いところにあったんだな』
そっと杖を元の場所に置く。
その隙間から見えた隣の通路奥。
見覚えのある髪色は光にあたり、眩しいほど輝いていた
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かんぽ(プロフ) - タダノ・ミソニコミさん» コメントありがとうございます！中々進み具合が遅いので他の方と接触するのは、もう少し先やイベントの時に発展させていこうと思います！ (2020年7月14日 3時) (
レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
タダノ・ミソニコミ - もう、話の進み方がド性癖過ぎて語彙力溶けました、いつも無茶苦茶楽しみながらみさせていただいてます！毎回見るたんびに残念な頭で思考を巡らせながら読んでますw kn.utのシーンでどういうことだ？ってなりましたね…更新頑張ってください！後、大好きです！ (2020年7月14日 0時) (レス) id: 47c28898f7 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - トーストさん» コメントありがとうございます！どうやって皆さんを入れてみようかと悩みながらも、時間が経ってしまいすみません！今日中には続編へ行けたらいいと思っています…！ (2020年7月12日 1時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
トースト(プロフ) - 楽しく読まさせてもらっております。この作品めっちゃ好きです！作者様も好きです！(唐突な告白)体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年7月11日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - 仰げば尊死さん» 羨ましいです、元気100倍…。頑張っていきます！ (2020年6月23日 2時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：H | 作成日時：2020年5月28日 1時
