第29話〈隠蔽〉 ページ30
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翌日ゾムさんは問題を起こした。
流れて来た噂では上級生相手に喧嘩を売ったらしかったが、現場を目撃した教師はかすり傷一つもなく滑稽とした表情で立ち尽くすゾムさんを何とか抑えたと言っていた
でも私は、彼が自分でそんな事を起こすはずがないと思っていたのだ。ゾムさんに何があったのか、詳しいことはまったくわからない。
｢ストレスの発散らしいよ｣
｢え、俺はただの遊びのノリって聞いたけど｣
学校中何処でも聞こえるその話
os｢Aちゃん｣
不穏な思考のループに陥っていた私の名前を絶妙なタイミングで呼んだオスマンさん声は、いつもと何も変わらなくて。少しばかり能天気で、あまり他人の話に耳を通さないオスマンさんはまだ知らないのだろう
『本当の事を教えてください！』
ドン、と机を叩いて立ち上がったのは、Aだった。授業を終え、一日の仕事を終え疲れ切った表情の教師を止めれば、途端に表情を強ばらせAの威圧に耐えきれずもごもごと口を動かし、真実を語る
「……あの時、私は……」
Aがこんな風に取り乱す姿を初めて見る。昨日後々何があったのかと思う程いつもの様子を一変したA。オスマンはトントンにも知っているかと尋ねたが何一つ思い当たる節はないと言われた。
胸騒ぎを覚えながらもオスマンは、朝のゾムの事件について耳に入った頃。勢いよく現場にいた教師にAが問い詰めれば、隠す素振りも見せずにアッサリと口を割った。
ゾムの出生は庶民よりも低い、実験に金を詰んだ両親と貧しい生活の中育った。教養もなく、魔力も少ないゾムが良く思われないのは当たり前で。無愛想な態度にイラついた生徒が彼に手を出したのがきっかけらしい
「校長命令だ」
教師がそう言い放った。バッサリと切り捨てるようなその言い方に、Aは眉根を寄せる。
『校長命令って……そんなの』
どうして皆こんなにアッサリと信じてしまうのか。納得が行かない、行く訳が無い。屁理屈を捏ねるなと、私情を挟むなと怒られるかもしれない。だけど、言わずにはいられなかった。
『育ちなんて関係ないでしょう！？ここでは皆生徒です、生徒を守るのが教師の役目ではないんですか？』
至極まともなその意見に、教師は口を開くことはなかった。苛立ちを、もう抑えることができない。Aはそのまま教室を飛び出した。
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かんぽ(プロフ) - タダノ・ミソニコミさん» コメントありがとうございます！中々進み具合が遅いので他の方と接触するのは、もう少し先やイベントの時に発展させていこうと思います！ (2020年7月14日 3時) (
レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
タダノ・ミソニコミ - もう、話の進み方がド性癖過ぎて語彙力溶けました、いつも無茶苦茶楽しみながらみさせていただいてます！毎回見るたんびに残念な頭で思考を巡らせながら読んでますw kn.utのシーンでどういうことだ？ってなりましたね…更新頑張ってください！後、大好きです！ (2020年7月14日 0時) (レス) id: 47c28898f7 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - トーストさん» コメントありがとうございます！どうやって皆さんを入れてみようかと悩みながらも、時間が経ってしまいすみません！今日中には続編へ行けたらいいと思っています…！ (2020年7月12日 1時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
トースト(プロフ) - 楽しく読まさせてもらっております。この作品めっちゃ好きです！作者様も好きです！(唐突な告白)体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年7月11日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - 仰げば尊死さん» 羨ましいです、元気100倍…。頑張っていきます！ (2020年6月23日 2時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：H | 作成日時：2020年5月28日 1時
