第26話〈探し物〉 ページ27
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私は資料室の前に立っていた。
中から物音などは聞こえず、人の気配もない。しかし魔法士となれば気配や自身の姿を消す事など容易い事で警戒はしてなければ
生徒が入る事は許されない。通りすがりの教師から物を盗るなんて初めてだが、油断していてくれたせいかスムーズに事を運ぶことが出来た
『(ゾムさんがあれだけ学校側から大切にされているなら、ここに情報があるはずだが)』
ガチャリと、小さな音でも静かな資料室中に響きそうなほど中は広かった
ゾムさんについての資料を見つければ何かがわかるのだろうか、変わるのだろうか。勝手に人の事情に首を突っ込むなと副寮長に注意されていたが、今回ばかりは仕方が無い。
『気が遠くなりそうだ』
膨大な資料を目の前に手を付け始めた
耐性が関係しているのだろうか。わからないことが多すぎて全てのことがまとまらない。なんなんだろう
彼のあの言葉一つでこんなにも動揺している自分。よくよく考えてみれば可笑しい筈だ、彼と過ごした時間なんて一時間ちょっとぐらじゃないか、それなのに私はこんな必死に……
ふらつく足を何とかしっかりと地面につけて、思考の乱れと戸惑いを覚えながら足を踏み入れた資料室の中で。
ーーーー
『…なぜ？』
私が見つけたのは、大量の本を机に開いたまま頬杖をついて居眠りをする、朝ぶりの彼の姿だった
『え、いや…あれ？』
あまりの驚きに今までの思考がほぼ完全に停止した。資料室の小さな窓から差し込む光だけで本を読んでいたらしい。その光がグルッペンさんの白金髪を微かに照らしている。
生まれてから今まで、こんなに綺麗な髪をこの世界で目にしたことはあっただろうか。地毛らしいけれど、これほどまでに美しい色を生まれつき持つことのできる人など存在しない
頬杖をついたままなのにバランスを崩すことなく静かに瞳を閉じているグルッペンさんは、女性のような美しさを持っている。長い睫毛は瞼に影を落とし、少し開いた口から息を吐く音が聞こえる
『…綺麗』
思わず口からこぼれたそんな言葉に自分が一番驚いた。さっき迄の悩んでいた事も全て消し去ってしまう程、そう思ったのだ
gr｢ここは立ち入り禁止だった筈だが｣
彫刻のように身じろぎ一つせずに開かれた唇から発した声は、低い。
『起きてたのか』
別に驚かなかった。魔力が強い彼が私の魔力を感じ取っていないわけがないんだから。
gr「いや少し、眠っていた」
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かんぽ(プロフ) - タダノ・ミソニコミさん» コメントありがとうございます！中々進み具合が遅いので他の方と接触するのは、もう少し先やイベントの時に発展させていこうと思います！ (2020年7月14日 3時) (
レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
タダノ・ミソニコミ - もう、話の進み方がド性癖過ぎて語彙力溶けました、いつも無茶苦茶楽しみながらみさせていただいてます！毎回見るたんびに残念な頭で思考を巡らせながら読んでますw kn.utのシーンでどういうことだ？ってなりましたね…更新頑張ってください！後、大好きです！ (2020年7月14日 0時) (レス) id: 47c28898f7 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - トーストさん» コメントありがとうございます！どうやって皆さんを入れてみようかと悩みながらも、時間が経ってしまいすみません！今日中には続編へ行けたらいいと思っています…！ (2020年7月12日 1時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
トースト(プロフ) - 楽しく読まさせてもらっております。この作品めっちゃ好きです！作者様も好きです！(唐突な告白)体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年7月11日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - 仰げば尊死さん» 羨ましいです、元気100倍…。頑張っていきます！ (2020年6月23日 2時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：H | 作成日時：2020年5月28日 1時
