無愛想な末っ子と仲良くしたい兄三人のお話【ＯＮＥ PIECE】【男主】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:14,065 hit

三ページ5

少しの沈黙。

俺は目の前のガキをちょっと睨み付けて、ガキは俺を真ん丸い、透き通った黒い目で俺を見つめた。

俺とは正反対だ。

そう思って睨んでいると、ガキはニコッと笑って口を開いた。

「友達になりてぇから！」

『…友達』

「おう！」

にししっと、また笑う。

眩しかった。

影みたいに真っ黒い俺が本当に影になってしまいそうなくらい。

目には曇りなんて一切なくて、輝いてた。

【どうせ俺を捨てるんだろ】なんて不安が全部消えてしまう程だった。

『…最初無視してた事とか怒ってねぇの。』

「怒るほどの事じゃない」

『俺良いとこ何もねぇよ。口悪ぃし、無一文だし。』

「じゃエースと一緒だな！」

『…俺は死刑が確定してる罪人だ。それでも友達になれんのかよ。』

罪人

俺の親父の罪だ。

親父はまだ海軍に捕まっておらず、俺が変わりに処刑されるところだったのだ。

親の罪は子供の罪。

それをガープが止めて、俺を引き取った。

理由は「孫がお前と同じくらい」ってのと「子供に罪はねぇ」っての。

軍が俺を釈放するのに出した条件は２つ。

・15年以内に親父を豚箱にぶち混むこと

・捕まらなかったら俺が死ね。

親父はもう何年も捕まってねぇし、先月も西の海で事件起こしてた。

捕まんねぇ自信があるんだろ。そんでその罪息子の俺に拭いつけるき満々だ。

罪人の子っつー事でガキン頃から友達いねぇし、避けられるし。

まぁお袋のこともあると思うがな。こりゃ別の機会に。

黙ってっからどせ友達なんてなってくんねぇんだろ？

そう思って、フッと視線を下に下げた。

「…罪とかよくわかんねぇけど

でもお前はイイヤツだ！！」

『は？』

「口悪ぃけど、でもイイヤツだ！！」

『意味わかんねぇ。』

「俺がイイヤツって言ってるからイイヤツだ！友達になろ！！」

グイッと、腕を捕まれ引っ張られ。

無理矢理握手された。

「よろしくな！お前名前は何て言うんだ？」

『……A。』

「Aか。よろしくな！！」

にししっと笑う麦わら帽子の少年…ルフィ。

…あぁ、本当に

馴れ馴れしい奴。