二 ページ4
「なー！お前名前なんて言うんだ？俺はルフィ！！」
ニコニコと蔓延の笑みで話しかけてくる麦わら帽子のガキ。
答える気は無いため、俺は黙って食器を洗うことに専念した。
「おーい！！俺はルフィって言うんだ！！お前は！？」
『……』
「なーあー！！」
『……うっせぇなガキが！！俺は食器洗ってんだ！！テメェの兄貴ンとこ行けや！！あと手ェ離せ！！』
腕をつかんで揺らしてくるガキ。
なんなんだこのガキは。俺はずっとだんまりだったのに懲りずに話しかけてくる。
「俺はルフィ！お前は？」
ニカッと笑ってそう聞いてきた。
自分と間逆な生物に少し戸惑う。
『俺今食器洗ってンだけど。』
「じゃあそれ手伝ったら教えてくれるのか？！」
『そのあとにも掃除に洗濯に武器と靴を磨く。つまんねぇからガキは兄貴と遊んでな。』
「でも俺エース達に置いてかれちまった…」
『じゃあ一人で遊んでろ。』
キュッキュと皿を洗いながら話す。
…不思議だ。このガキ。
ガープみてぇなガキだな。
「…じゃあさ！仕事全部手伝うから、終わったら名前教えてくれよ！」
『は？』
「よっし、やるぞぉ！！」
こういう強引なトコ。
俺は何の承諾もしていないのに勝手に話を進めるトコ。
本当にガープみてぇなガキ。
・
「終わったぞ！約束通り名前！」
ニィッと笑って話しかけるルフィとかいうガキ。
あのあとコイツは最後まで俺を手伝ってくれた。
掃除も洗濯も、上手いという訳ではなかったが、まあそれなりに。
素直にありがとうって言えば良いのに俺はひねくれた奴だからさ
『……お前、なれなれしぃンだよ。なんで俺に構うワケ。』
って、いっちゃうんだよな。
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作者名：雑食系 | 作成日時：2019年4月6日 17時
