推しの彼氏

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奥さん持ちのイケメン2人に挟まれながら、
わちゃわちゃご飯を食べる。


何で周りの席空いてるのに、
わざわざここに座るんだろ。








『それでね、むーくんがね』


近本「A、彼氏できたん？」


『チカちゃんってたまに脈絡なくない？』


近本「湯浅？」







思いきりむせた。死ぬかと思った。






『かかか彼氏なんかいません！
それに何で湯浅が出てくるの』


近本「いやもうバレバレやから。なあ聖也」


木浪「うん。観念し笑」






隠してた訳じゃないけど、
湯浅推しであることがバレバレだったのかと思うと
恥ずかしくなってくる。






『つつ付き合うとか、ないです』


木浪「ほんまに？

俺が湯浅やったら嬉しいけどなあ、
そんだけ想われてたら。
彼女にしてあげたいって思うもん」


『でも、この前「彼氏に怒られるんちゃう」って
言ってたから、そういうつもりないと思う』


近本「いやぁ、やんわり探り入れたんやろ。
本気でおまえのこと考えてる証拠やん」






それは……ない。ないない。


推しが自分のことを好きになってくれるなんて、
夢のまた夢で。


たとえるなら、絵本の中の王子様みたいな。



自分が湯浅の彼女になんて考えたこともない。



トレーナーとして、
いちばん近くで見守っていられる今のままで
充分すぎるくらいなんだから。










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