推しの彼氏

好きなところ ページ8

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湯浅「俺のことほんまに好きやね」


『…ほんとに好きだよ』


湯浅「……冗談で言ってんけど笑」






投げる前のフォームが好き。


ボールを大切に扱うところが好き。


ボールを受け取る時に必ず帽子を取るところが好き。


人一倍努力家なところが好き。


野球に関してはすっごく負けず嫌いで、
気が強いところが好き。


だからこそ打たれた時、
感情が抑えきれないところも好き。



でも、何といってもマウンドにいる時と
普段のギャップが好き。



ずっとニコニコしてて、
笑ったら目がなくなるところとか、
口角の上がり方とか。


背が高くて、声もちょっと高めなとことか。


喋り方が優しいとことか。


長めの黒髪のセンター分けとか。


帽子を脱いだ時の、前髪のかかり方が天才なとことか。


そしてその前髪をかき上げる仕草とか。




全部、言葉で言い表せないくらい、好き。






湯浅「…Aさぁ、そんなこと言ってええの？
彼氏に怒られるんちゃう」


『彼氏いないもん』






もし彼氏がいたとしても、
天秤にかけたら絶対湯浅の方が重たいと思う。


とか言ってたら、一生彼氏なんて出来ないんだろうな。






湯浅「……じゃあ、」






俺と、って聞こえた気がして


ん？って聞き返そうとした時には、
すでにロッカールームに到着していた。




ここでバイバイする予定だったのに、
着替え中だったイト兄こと糸原健斗に
見つかってしまい、ダル絡みされる。






糸原「あ、Aじゃん」


『お疲れさまでした』


糸原「おいおい。(手招き)先輩命令」


『イト兄服着てよ』


糸原「湯浅、A独り占めすんな！」


湯浅「すいません」






そういえば、さっき湯浅
何言おうとしてたんだろ。


聞きそびれちゃったな。


大事なことかな。また今度聞いとこう。










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