推しの彼氏

何もしてない ページ45

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これは、夢だろうか。



湯浅に、好きって言われた。


……キスされた。




まだ唇に残る感触を思い出しては、
身悶えることの繰り返し。





相当酔ってた湯浅は、その後すぐ
スイッチが切れたみたいに眠ってしまって。


床に寝かせるわけにもいかず、
なんとか起こしながら身体を引っ張って、
ベッドまで連れてきたのだった。





すやすや寝息を立てる
湯浅のそばにしゃがんで見つめる。



だいぶ顔の赤み引いてきたかな。


そっと首に手をあててみると、
さっき触れた時にあんなに熱かった体温は、
平熱に戻りつつあった。





いくらなんでも酔いすぎだよ。
お酒飲んだらいつもこうなのかな。


…ああいうこと、誰にでもしちゃうのかな。





もやもや考えてると、
ふいに湯浅が目を覚ました。




何度か瞬きをして私を見つめてたけど、
完全に酔いが覚めたのかがばっと起き上がって。






湯浅「え？ほんまにA？」






何言ってんの。


やっぱりさっきのこと覚えてないんだろうな。




ちょっとだけ悲しいような、ほっとしたような。






湯浅「待って、俺何かした？」


『……何もしてないよ』


湯浅「Aに好きって言ったり、キスした？」


『ししししてない』


湯浅「絶対したやん」






だって、否定しないと


私が勘違いしたら、本気にしちゃったら
湯浅が困るもん。










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