推しの彼氏

ナンパ ページ34

.










『かか彼女じゃないです』


山崎「またまた」


『ほんとに！私が勝手に、好きなだけなので』






そういう噂が流れてるなら、弁明しないと
湯浅が困るかもしれない。



ずっとずっと、私の片想いなんだから。






山本「…はい。ごめんなさい(きゅん)」


山崎「可愛いっすねやっぱ」


『！？！？』






背が高い2人に囲まれて、
どうしていいかわからず1人であたふたしてたその時、
「A」って低い声で名前を呼ばれて。






才木「待たせてごめん。行こか」






ロッカーにいないから探しに来てくれたのか、
この時ばかりは、浩人くんが救世主に見えた。




素直に彼の元に戻ろうとすると、
「またねAちゃん」と背後で手を振るお二方。


女の子の扱いに慣れてるお兄さんって感じで
とにかく私にはハードルが高かったです。




ロッカーに戻ると、
なぜかご機嫌ななめな浩人くんが振り返る。






才木「ちょっと目離したらなにナンパされとんねん」


『ナンパじゃないよ。噂の誤解を解いてただけで』


才木「頼むから1人でどっか行かんといて」






何それ。
べつに危ない目にあったわけでもないのに、
過保護なんだから。




浩人くんの肩にアイシングを付けながら、
さっきの出来事を思い出す。



パ・リーグの選手ってあんまり関わりないから
話すのも初めてだったけど、
近くで見るとほんとにイケメンだったなあ。


山本さんは今日先発だったけど、
歓声もピッチングもすごかったし。




でも、やっぱり


うちの選手が1番すきっ。






『浩人くんベンチ帰ろ』


才木「Aおんぶしてや」


『いや潰れます』










.

はやく戻ってきて→←天然くん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す