推しの彼氏

待ってるよ ページ32

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一度考えると妄想が爆発して、
とにかくぶんぶん首を振ることしかできなかった。






『嘘ですごめんなさい』


湯浅「いや謝られてもな」






まぁ、いつか触るわ。
と、何気なく落とされた一言。



今なんて？


勢いよく顔を上げると同時に、湯浅が顔を背ける。



その耳が赤くなってるのを見て、
胸がきゅうっと締め付けられた。






湯浅「ごめん、調子乗りすぎた」


『全然いいよ』


湯浅「いいわけないやろ」






湯浅になら、何言われたって何されたって
嬉しいと思ってしまうのは、
もう末期なんだろうな。






湯浅「そろそろ行こか、」






私の顔色が元通りになったのを見て、
促してくれる湯浅にうんと頷く。


試合はもう始まってる。
湯浅もリリーフの準備をしなきゃ。



試合が終わったら、阪神は移動のためすぐ出発だ。




やっと会えたのに、またお別れか……


俯きながら湯浅の背中を追いかけていると、






湯浅「A、
WBC終わったら、話したいことあるから
待っててくれる？」






……なんだろう。
そんな改まって話したいことって。


不思議に思いながらも、元気よく了解の返事をする。




待っててって言ってくれるから
私、いつまででも待ってるよ。










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