推しの彼氏

触って ページ31

.










『でででは、戻ります』


湯浅「待って、A顔赤すぎるって。
そんな顔で行かされへんから」






ロボットみたいにぎくしゃく方向転換しようとすると、
湯浅に腕を引かれる。



思わず驚いて見上げると、
「ごめん。俺のせいやな」ってちょっと笑ってた。



たしかにこの顔のまま皆んなのところに行ったら、
何かあったのかと心配されるに決まってるけど。


無理だよ。
湯浅といたら勝手にこうなっちゃうんだもん。





私の熱が引くのを待ってる間、
湯浅は転がっていた着ぐるみの頭に気づき、
拾い上げてくれる。






湯浅「ていうか何で着ぐるみ着てるん？
さっき手振ってくれたよな？笑」


『(えっ気づいてたの)お仕事です』


湯浅「なんが仕事やて笑笑」






好きで好きでたまらない笑顔で、頭を渡してくる。


湯浅って、べつに面白くないのに
私が話すことにめちゃくちゃ笑ってくれるんです。



見惚れながら受け取ると、
くしゃくしゃっと頭を撫でられて。






『……湯浅、？』


湯浅「ん？」


『今日めっちゃ、あの、触ってくれるね』


湯浅「え。ごめ、嫌やった？」


『ううん。嫌じゃないから、もっと触って……』


湯浅「……そういうこと言うんやめて。
お願いやから(可愛すぎてほんまにやばい)」


『え！(いま変なこと言った？)』


湯浅「だったら好きに触んで？ええの？」






え……


「好きに」って、どういう。










.

待ってるよ→←抱きしめられる

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す