推しの彼氏

唐突なデレ ページ20

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湯浅「次会うのは強化試合の時かー」


『うん。1ヶ月後くらい』


湯浅「やんな、」







喋りながら手を伸ばし、湯浅のネクタイを直す。


スーツは普段の3割増しって言うけど
何でこんなにかっこいいんだろ。やだな。


思わず見惚れていると、
湯浅も同じくらい私を見つめていることに気づいた。


恥ずかしくなって、顔に熱が集まる。






『……なんですか』


湯浅「ん？」


『見すぎです(顔を隠す)』


湯浅「おまえもな(私の手を外そうとする)」


『やめてやめて。これ以上見つめられると、限界が』


湯浅「何があかんの。
いま目に焼き付けてるんやから」







え……なにを？私を？


びっくりして顔を上げると、
さらっとそんなこと言ったわりに
恥ずかしそうに前髪をかき上げる湯浅がいた。


不意打ちすぎるデレに顔から湯気が出そうになる。






『……かいくんとか、梅ちゃんとか、
ザキさんじゃなくていいの？』


湯浅「うん」






いや、「うん」て……


あの湯浅が、隙あらば
私を目に焼き付けていたのかと思うだけで、
顔が勝手ににやけてしまう。


けれどいつまでもこうしてると、
名残が尽きなくなりそうで。






『頑張ってね。応援してる！』


湯浅「ありがとう。頑張るわ」






最後にグータッチを交わして、
湯浅とむーくんが乗った車を見送った。



とりあえず怪我だけはしませんように。










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