推しの彼氏

寝落ち ページ14

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阪神のトレーナーにならなかったら、
出会えていなかった優しくて強い人たち。


彼らと見る頂点の景色は
きっとどんなに輝いているんだろう。


それを一番近くで見る権利を、
誰にも譲りたくなかった。






才木「A、A」


『ん、あれ？』


才木「髪乾いたで〜」






ドライヤーがあんまり気持ちよくて、
気づいたら寝落ちしてしまっていた。



椅子からずり落ちそうで危ないからと、
座った浩人くんに正面からもたれかかって、
髪を乾かしてもらったらしい。


目が覚めたら、浩人くんにぎゅっとしがみついてて。


横でテルが爆笑してた。






佐藤「爆睡しとるA撮ったった」


才木「でかしたテル、後で俺に送っといてや。
あー寝顔可愛すぎて、起こすの大変やった」


『……浩人くんごめん、よだれ付いちゃった』


才木「おい。何してくれとんねん」






浩人くんのお気に入りのシャツには、まん丸のシミが。




洗濯するためにシャツを脱いでもらってると、
ここに来るまでに
すっかり忘れていたことを思い出した。






『あ！そういえば、
湯浅のシャツも洗ってたんだった。渡しに行かなきゃ』






今日のお昼に皆んなのタオルを洗濯するついでに、
湯浅から頼まれてたTシャツ。


畳んで部屋に置きっぱなしにしてた。






『はっ、髪はねてる。とかしとこ』


才木「京己に会うからって可愛くすんなて」


佐藤「ここもはねてんで」






テルのごつい手で髪をとかしてもらってから、
「おやすみ」と2人に挨拶して
湯浅の元へ向かったのだった。










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