狂犬くんの妹ちゃん II

伊藤 ページ12

相良猛side


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猛「智司ィ。俺はもう我慢ならねーぜ」



智司「……何がだ」







いつものようにソファに腰掛けるそいつの前に立って不機嫌な顔で言えば、智司も眉をひそめて目を上げる。







猛「そろそろ軟高のあの二人を捻り潰してもらいてぇ」



智司「何だそりゃ。俺に命令しよってのか？」



猛「命令じゃねぇよ。

うちの頭として恥ずかしくねぇ歴史を作ってもらおうと思ってるだけだ」



智司「いいか相良。

俺は自分が好きな時に暴れんだよ。
何でおめーにうだうだ言われなきゃならねぇんだ。


……図に乗ってると捻るぞこのクソが」



猛「好きな時に、暴れるヤツが頭じゃ困るんだよ。

それじゃあ開久は舐められっぱなしだ！」



智司「……何だそりゃ。

どこのヤツに舐められてるってんだ。あ？」



俺の一言が、智司の癇に障ったのがわかった。


タッパもあって目つきも鋭いこいつに凄まれれば普通のヤツならまともに目を見ることすら出来ないだろう。







智司「俺のせいで開久が舐められてるっつーのか？

おい！！！」



猛「だから、さっき言ったじゃねーか」







おい、と下っ端の野郎を呼ぶと顔中傷だらけでよろけながら前に出てきた。



話せ、と相良が促すと、おずおず喋り始める。







「……やられたんす。

軟高のヤツらにいきなり襲われて」



智司「情けねぇ野郎だな。何したんだてめぇ、」



「何もしてないんすよ！
10人くらいでいきなり襲ってきて、


……そこに伊藤もいました」







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