振り向いてよおにーさん

希望 ページ16

泰「は？」

楓「偶然俺が喧嘩してる所を見つかって、そのまま呼び出されて、泰志の事も聞かれて」

泰「喧嘩してるって答えたのか？」

楓「いや答えてねえけど…嘘もつけなくてよ」



立ち上がって楓士雄の胸ぐらを掴む泰志は、今にも殴り掛かりそうな勢いで、周りの面々も今に二人の喧嘩が起こるんじゃないかと焦りはじめる



けれどそう思っていた瞬間



泰「っはァ〜、余計なことしてんじゃねえよ。まあでも、もういいわ」

楓「は？」


掴んでいた手を離し、ドサッとソファに座り込む泰志
想像してた展開とは違う反応に驚きを隠せない



司「もういいって何がだ？」

泰「そのまんま。今嫌われたのがベストタイミングとでも言っておくか？」


そして
「ほらよ」と言って見せてきた泰志の携帯には


司「Aさん…と」

楓「この隣の人誰なんだ？」

泰「知らねーよ、Aさんの女かなんかじゃねえの」


髪の長い女の人と腕を組み楽しそうなAの姿



昨日ウチのやつが送ってきたんだよ、と言って一度その画面に目を通しすぐ画面を閉じる



「だから色々と丁度いいんだ。何も気にしちゃいねーよ」



言葉ではそういうものの明らかに泰志の顔は諦めきれないという悔いの残る表情で



自分の責任であり、困ってるやつはほっとけない精神の楓士雄がこの状況をそのままにしておくはずもない



楓「本当にAさんの彼女か分かんねえだろ。全部俺の責任でもあるし、俺が絶対お前とAさんの仲戻してやる！！！」


泰「出来るか、俺はもう嫌われてんだよ」


楓「そもそも何でAさんが喧嘩嫌いなのかも分かんねえし、Aさんの事諦めきれないって顔してるぞお前」



だから任せろと大口叩く楓士雄に協力しようとする皆


「せいぜい頑張ってみろ」そういう割の泰志の表情が先程より明るくなっていた


＿＿＿＿＿

泰「けどまず楓士雄、お前はメリケンサック顔パンさせろ」

楓「なんで！？！？！？！」

司→←謝罪

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