振り向いてよおにーさん

絶望 ページ14

泰「何で電話も出ねえんだよ！！！！」



ひたすらAに電話をかけながら、Aの通う大学まで全速力で向かう泰志



けれど何コール、何回かけても電話に出てくれることは無い




心配と苛立ちが交差しながらも大学の前まで着くと、電話をかけながら入口でAを待ち始める




金髪、チャラい服装、鋭い目付き、ここら辺ではあまり見かけない姿に大学から出てくる人からの視線を浴びるが、当の本人はずっとAの事しか考えていないので何も気にとめない



段々とつもってくる苛立ち故に眉間にシワがよってきて、顔つきが怖いから自然と人が泰志を避けて通る




しばらく待っていると遠くから泰志お目当ての人物が歩いてくるのが見えた




泰「Aさん…！！」



姿を見つけた泰志は、勢いよく駆け出して一直線にAの元へ走っていく



泰「Aさん俺心配したんですよ…！連絡も返ってこないし、電話も出ないし、で…」




てっきり喜んでくれると思っていた。いや、喜ばれなくても少しくらい嬉しいって思ってくれるだろって

けれどそんな泰志の思いを打ち砕くようにAの泰志を見る目は冷めていた



泰「どうしたんですか？」

「西川くん、喧嘩するんでしょ？」

「え」



唐突に落とされた爆弾のような言葉に頭が回らない



何で？どうして？Aさんがそれを知っているのか、気になるところは沢山あるけれど、それよりもまずい
Aさんがそれを知ったってことは



「俺言ったよね。喧嘩も喧嘩する奴も大嫌いだって」


もう俺とは関わらないでほしい




そうハッキリ伝えてきたAに泰志は絶望していた

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