その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ45)

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恐れていた入浴時間も終わり何も騒ぎがないまま、女マネは教室に敷き詰められている布団の上で、穏やかな時間を過ごしていた。7月下旬で昼間だと太陽が照りつけているが、夜になると風が通って居心地が良い

雀田「ねーあの映画見た？実写化されたやつ」

宮ノ下「見た見た、主人公役の俳優めちゃイケメン〜」

『私はラスボスの役の人好きだなー』

白福「超悪顔じゃん、Aってば悪顔好きなの？」

何気ない会話を繰り広げていて、見てない清水と谷地、大滝はいつか見たいなと話を聞いていた

宮ノ下「しかも映画特典がタオルって豪華じゃない？」

白福「家の洗面所のタオルに使われてるわ〜」

『ん……？』

大人気アニメの実写化により、名言が入ったタオルが特典として着いてきたのだ。先程までニコニコして聞いてきたAは、何か気難そうな顔をして一点を見つめていると、あ！！と声を上げて、立ち上がった

『タオル洗濯するの忘れた！！』

白福「あちゃー、明日のないじゃん」

清水「干してる時少ないなって思ったんだけど、音駒のがなかったのか」

直井に怒られる！と真っ青の顔をしていて、今から洗濯しても夜中には乾かない。しかし、真夏のため汗をかく部員がタオルがなくてはなんとも不憫だ。谷地も気づかなくてすみません！と頭を下げている

『ちょっと洗濯室行ってくる！』

そう言い残しダッシュで飛び出して行ったA
わりと完璧だと思っていたが、そういう所で抜けていて、雀田は呆れた顔をした

「Aちゃん大丈夫でしょうか…」

「気にすることないよやっちゃん。何とかするってタオルくらい」

大急ぎで、3階から１階へ走る
階段を降りていくと2階には男子が集まっているため、騒ぐ声が聞こえるがそれどころでは無い

『ですよねー……』

あわよくば誰か気づいていたりと少し期待をしたのもつかの間
洗濯機の中に、使用済みのタオルが放り投げるられたままで、ゲンナリと落ち込んでいた

(今から干しても間に合わない。先輩達にも、監督にも怒られたくないし……今は9時半まだ間に合う、行くか)

洗濯機の中から大量のタオルを取り込みカゴに投げ入れる
最終手段として目指すは主婦の味方コインランドリー
財布を取りに行くため、3階へと急いで走る

「あれ、どうすんの？」

『コインランドリー行ってきます！』

「気をつけるんだよ〜」

教室に戻ったのは一瞬で、財布をカバンから取り出すと
ものすごいスピードで出ていった
急げ急げ…誰にも会わないように……

静かに靴を持ってきて裏口から出ようと扉を開けた時だった

「Aさん？」