その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ44)

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『はぁ、染みる〜』

「じじいか」

「疲れたねー、よく動いた」

湯船に浸かり、体全体にじんわりと温かさが染み渡ると力が抜けるように天を仰ぐAと、白福にツッコミを入れる
体を洗い終わった清水や谷地たちも湯船に入ってきた

明日のご飯なんだろうな〜と楽しそうにプカプカ浮いて話している白福とAを見て清水も穏やかに笑っている
清水の隣の谷地は周りをぐるっと見回して、静かに自分の上半身に目線を落とした

「……やっぱり体が違う」

幼児体型の谷地は周りにいる大人っぽい体つきの先輩たちを眺めて気を落としていた

『そういえば烏野の2人やっぱり凄いね』

「あー、それ私もびっくりした。あんな速攻あり？」

「うーん、だいぶ形にはなってきてチームも安定し始めたけど、インターハイは負けちゃったから強くならないと」

烏野はインターハイで、大王様率いる青葉城西に負けた
春高に出るために、今回も東京合宿で鍛えにきたのだ

「音駒はハーフの子試合に出始めたんだね。前は居なかったよね？」

『ロシア人のハーフのリエーフですね。高校からバレー始めたらしくて、GWの時はレシーブもままならない素人だったんですよ、でも皆のおかげでだんだん上達してきてます』

「ロ、ロロシア！？」

「身長も大きいよねー、見た目もカッコイイし」

谷地が他国の言葉にビックリしていると、英里もリエーフを思い出して言うと、Aはケラケラと笑い始めた

『みんなそれ言うんですけど、喋ると子供でクールってな感じじゃないの』

やれやれと首を振って呆れ顔をしている
そんなのうちの木兎だってもっと幼稚でさー……と雀田が木兎の普段の様子を話すと大爆笑が起きる

なんだかんだ各学校にも問題児はいる。烏野の西谷、日向、影山、田中みたいな存在は珍しくない様で静かにホッとしている清水

『暑くなってきた、上がろっと』

ザブンとお湯を波立たせて湯船からでれば、他の人たちも私もーと次々と出てくる

「……っかほんと腹立つなその体型」

『え、なんでキレた』

「あんだけ食べて2人ともお腹出てないし…オマケにその胸！！」

雀田にビシッと指をさされて、白福はAに近寄り
「いっぱい食べないと育たないよ〜」とウインクをして脱水所に向かう

『そういうことらしいです！』

Aも同様にドヤ顔で雀田を見れば、腹立つわー！と文句を言われているが2人は上機嫌で出ていった

「雪絵ちゃんとAちゃん似た者同士ですね」

「なんだかんだいい子たちなんだよね」

脱水所からキャッキャ聞こえる声を耳にしてその他も、フゥとため息をついて暑い浴場を出る