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5月3日、午前9時頃
「あのボゲ、どこいった……？」
「おい、影山どうした、立ち止まって。つか、日向はどうしたんだ？」
「たぶん、道外れたんじゃないかと」
「はぁっ！？」
宮城県小さな街では、烏野高校1年日向翔陽が失踪し、ロードワークは開始からわずか20分でー時中断となり、3年と1.2年組で日向捜索団を結成した
一方そのころ。音駒高校バレー部でもひとりの部員が消えていた。烏野総合運動公園の合宿所から歩いて15分の高校へ練習試合をしに移動していた時、2年の孤爪研磨がフラリといなくなったのだった。
「ったく…」
眉間に皺を寄せ、携帯を耳から離し、疲れた黒尾の声に部員たちは顔を見合わせる
「研磨捜してくるから、みんな先向かっといて」
『私も行きます』
マネージャーのAも孤爪の捜索に申し出ると、1人で探すよりかは可能あるか、と頷いた
俺も！と手を挙げた犬岡を見て、黒尾は首を振った
「いや、土地勘ない人間がゾロゾロ出たってしかたないだろ。お前らは先行ってアップしといて。夜久と海！監督に連絡頼むわ」
「おう、さっさと捕まえて来いよ〜」
そう言って手を振った夜久と心配そうに見つめるその他1年、2年を背にAと黒尾は烏野の町にでた
『ここら辺何も目印もないし、どうします？』
「そうだな、二手に別れるか」
『また連絡しますね！』
「変な奴についてくんじゃないよー」
10分ほど歩いて、コンビニを覗いて見たがそこには姿が見当たらなかった。しょうが無い、と黒尾の作戦通りにAと黒尾は二手に別れ別々の道を歩いていった
知らない道適当に歩いてもしょうが無いし、とりあえず人がいる所向かおう
朝だからか街中には、人が全く歩いておらず車が通ってるだけ
手当り次第探すより聞き込みをするかと、少し奥にある烏野商店街と書かれた看板の方へと向かった
『うわあ、なんか年季あるなあ』
錆びた看板を目の前に、アーケードに入ると、シャッターが並ぶ商店街を眺めてAは呟いた
スーパーマーケットや、ファストフード店、服屋や靴屋が並んでいてチラホラと人が見られる
でも買い物しに来ている人が、研磨なんて見かけるわけないか……
と話しかけるにも話しかけられないA
周りを見渡すが孤爪の姿は見えない
スポーツ用品店の目の前を通ると、ジャージを着た高校生らしき2人が入口から出てきた
「午後練前なのになんでわざわざこんな遠いとこくんだよ」
「ここにしか保温効果ある白いサポーターがないの！」
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作者名：ぱるむ | 作成日時：2024年3月11日 1時
