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「清水、ほかなんか持ってくもんあるか？」
「……」
「おーい清水？」
7月下旬ついに東京合宿前日になった
深夜学校にそれぞれ集まり、浮き足立っている中烏野3年チームは、しっかりと準備を整え最終確認を行っている。澤村が声をかけるが、スマホをじっと眺めて操作している清水は気づかない。その様子に気まずそうに谷地が声をかけた
「あの清水先輩、澤村さんが…」
「あ、ごめん連絡返してた。大丈夫」
「清水が携帯触ってるなんて珍しいな」
「潔子さんどいつと連絡取り合ってたんすか！」
バスに乗る前菅原もその様子を見て珍しいというと、気づいた西谷田中は、スマホの向こう側の相手にガルルルと威嚇をし始めた
「Aちゃん」
「A？ちゃん？」
「ああ、あの音駒のマネの子か」
スマホ画面をズイッと出されるが、聞き覚えのない名前に田中西谷は首を傾けると、菅原が思い出したように呟いた
「何時着く予定か話してた。また随時連絡するけど」
「そうだ……！音駒のマネくっそ可愛いんだったァ！！」
「だよなノヤっさん！俺最初見た時驚いたぜ、シティーガールやべえ」
突如叫び出し熱弁し出す西谷田中に、最近入りたての谷地はヒィ！と驚き声を上げ、近くにいた月島はシティーガールッププっと静かに笑っていた
「東京の女子高生…お金巻き上げられたらどうしよう！！恐ろしい……！！」
「仁花ちゃん大丈夫。そんな子じゃないから…」
東京のマネージャーと聞き、谷地が想像するのは超ミニスカルーズソックスギャルが、煙草を吸いながらオラオラおじさんから金を巻き上げている女子高生だ。いつの時代のギャルを想像ているのだろう……と清水は苦笑いをした
「今年から入った2年生の子なんだけど、すごい親しみやすくて、優しい子だよ。仁花ちゃんも話しやすいと思う」
「確かに、挨拶に来た時もしっかりしてたよな。真面目な感じだったし」
「休憩中俺たちのことも気にかけてくれてたよな」
「可憐……清楚……優しい……最強……」
あまり接点がなくぼんやりとその時の様子を思い出す
西谷や田中は明日が楽しみだ……と胸に手を当て涙を流していた
「ほ、ほえー…そうなんですね。なんか少し安心しました」
未知の東京に怯えていたが、緊張はするが少し胸を撫で下ろした。すると監督から声がかかり、バスに乗りこんでいく
いよいよ宮城県烏野高校全員で東京へ出発だ
と、言いたいところだが、超人コンビを除いてのメンバーだった
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作者名：ぱるむ | 作成日時：2024年3月11日 1時
