その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ33)

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「はよー」

「おはよ」

黒尾と孤爪が向かってくるとAの隣にいた玲於は、あれがよく聞くバレー部か。と理解する
そして薄っぺらい笑顔を浮かべてペコりと会釈をする

「はじめましてー」

「どうも」

黒尾もニカッとわざとらしい笑みを浮かべると、デジャブ…と孤爪は黒尾を見上げた
お互い警戒心満載の表情だが、そんな2人の気もしれずニコニコと遅刻しそうだったわ〜と笑っているA

(金髪の年上かよ、何もんだよこいつ)

(黒髪の背高いやつってこいつだよな、胡散臭い笑顔しやがって)

「ねぇ誰？」

この雰囲気が嫌だったのか、孤爪はコソッとAに聴くと、ああ！と声をあげた

『紹介してなかったね、私のお兄ちゃん！』

「お、お兄ちゃん？！」

「フッ…」

予想にもしなかった兄の登場に、驚きの顔が隠せない黒尾
先程までの警戒心丸出しだったその様子に孤爪は小さく笑った

「どーも、Aの兄の玲於です。妹がお世話になっております〜」

そう言われてみれば、髪色もそっくりで、何となく整った顔立ちも似ているような気がしてくる
しかし、チャラチャラとした感じだったため、兄とは予想外だ

『前話したバレー部のキャプテンとゲーム得意の研磨だよ！』

「あー、覚えてるよ。やっぱりバレー部となると身長高いんだな。男前」

「いやいやお兄様には叶いません〜」

「おい〜、やめろよ〜」

黒尾が初めて年上の人と話す様子を見るが、立ち回りが上手く
玲於を褒めると、満更でもなさそうな顔をして後頭部に手を当てた

まさに単純さはAと同じで、あ…これ兄妹だわ。と理解した

「っとまぁ、部活始まるんだろ。頑張れよ！今度試合見に行かせてもらうわ！」

「是非」

『じゃーね、ありがと！』

軽い世間話を終え、バイクに跨って去っていく玲於を見送り
3人は、部室へと向かう

「なんかあれだな、うちの兄妹は全員似てんだな」

『え、私玲於に似てます？』

ちょっとショックそうにして全然似てないと首を振っているが、素直な感じや単純さや笑顔はそっくりであった
他にも、山本兄妹や灰羽姉弟も性格が似ている

「虎なんかは全く同じだよね。一瞬でわかった」

『あかねちゃんか、確かに熱血！って感じが似てる』

そんな話をしながら、黒尾は心の奥底で安心し、上機嫌になっていた。孤爪もその様子に気づき、ほんと分かりやすい……とつぶやいた