その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ26)

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「くっそ……！俺ミスばっかした！！」

「俺もブロック抜けられてばっかで…っ」

『……』

3年はどこかへ行ったのか今2年と1年全員で集まってさっきまでの試合を思い出していた
試合に出た山本、犬岡はクソクソ……！と地面の芝生を握りしめていた

その様子を無言で、見下ろす孤爪、福永、
横には試合に出れなかった芝山、リエーフが悲しい表情で俯いて、Aも同様にかける言葉が見つからず、下を向いていた

何分こうしているのだろうか…しかし、悔しさが込み上げてきて通常に戻ることがまだできない
こんなにも一瞬で終わってしまうのか。1回でも負けたら先へ進めない

その時だった

「俺、もっと練習しなきゃ。試合に出たい」

「僕も。先輩達ともまだ一緒にやりたい。でも先輩に頼りっぱなしなのはもっと嫌だ！」

リエーフと犬岡がグッと上を向いて擦って赤くなった目を見せた。先程まで地面にしゃがみこんでいた山本は顔を向け、大きく頷いた

「Aもだね」

『うん。』

もしかしたら3年は引退するのかもしれない。それでもすぐにくる春高に向けて、今の1.2年で全国へ行けるレベルへならなくては行けない。そのためには、ウジウジしている暇はないのだ
ゴシッと袖で涙をふいて全員が立ち上がった

「そうなってもらわなきゃ俺達も安心して引退できないわけよ」

「みんな探したよ」

「クロ…」

『先輩……』

後ろから聞こえた主将の声に振り向けば、3年3人がゆっくり歩いてきていて、その表情は穏やかでいつ見ても安心できる大きな存在である

「なーに泣いてんだ、エース！お前らに期待してんだから」

バシンッ！！と強く山本の背中を夜久が叩けば、発せられた〝期待〟という言葉に全員が反応する
「ってことは…やっぱり引退」と犬岡が呟いた時だった

「お前らにも強くなってもらわなきゃな。春高一緒に戦うぞ」

『え…』

「えええええええっ！！！！」

黒尾が腰に手を当てニヤリと歯を出して言えば、孤爪、福永を除いた全員が、叫び声を上げ驚いていた

「えーってなんだよ。嫌なのかよ」

『なわけないじゃないですか！！引退しちゃうかと…』

良かったあとウェンウェン更に泣き出し始める者もいて
リエーフなんかは、夜久に抱きついて鼻水を垂らしている

「意外と即決だったよな？」

「あたりめーだろ。まだ下手くそを音駒に置いてけるわけねぇ」

「研磨あたりはわかってたぽいな」

海がにこやかに微笑むと、リエーフを剥がしながら夜久も続く
そして黒尾の言葉に、いや分かるでしょ…と孤爪は小さく呟いた