その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ25)

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球技大会も終えるとすぐにインターハイ予選を迎えた
1年にとっても、Aにとっても初めての大会である
そして3年にとっては最後の大会になるかもしれない
墨田区にある体育館を目の前にして固まるものも何人かいた

初戦は、初めて聞く高校とあたり、音駒の勝利となった
そして2回戦、当たる相手は去年優勝校である

『顔から緊張が見えますね』

「相手がどんなのであれ、やることは変わらない」

もうすぐ試合が始まる赤いユニフォームを来た部員たちはアップを取り始め、Aも1人で呟いた猫又の横に立った
3年となると流石のドシリとした心構えだか、2年の山本や1年芝山、犬岡はいつもの笑顔が消え、ボールに集中をしていた

「おーい、そんなに身構えすぎんなよ」

「う、うっす！」

「犬岡もどうした、初戦調子良かっただろ。」

「……はいっ！」

主将である黒尾の声掛けによって、ハッと心を入れかれる
だれでも強い相手と当たるとしたら緊張はするものだ
それをわかっていて各部員にアプローチする黒尾は、流石だった

「そういうお前も緊張してんだろ」

『直居さん私初めての大会ですよ。当たり前に緊張しますよ。なんてったって私の働きに皆の命がかかってる』

「大丈夫だ、多分あいつら命まではかけてねえから
責任重すぎんだろ。メンヘラか？」

『あまた！最近すぐいじってきますね』

グッと拳を握りしめていたAの様子をみて直井がからかうようにいい、そしてすぐに眉間に皺を寄せ反論する
その様子に隣の猫又は、ワッハハと笑っていて大会を楽しんでいる様だった

そして白熱する試合が開始し、夢中になっていれば終わっていた

セットポイント2ー1

音駒高校はインターハイ予選第2試合で敗退した
コートからハズレ、体育館内の片隅で集まった
全員の顔は暗く、試合に出ていないリエーフや芝山は更に悔しそうに下唇を噛んでいる

「まずはお疲れ、細かい反省は自分達が1番わかってると思うから大丈夫だな。3年生、よくここまで戦ってくれた。この後のことは自分でよく考えて結果を来週報告しに来なさい。そして2年1年は更にレベルアップしてこうじゃないか」

説教も慰めもなく、全てを受け入れる猫又の優しい口調
3年生はこれからどうなるのか、もう引退していまうのだろうか。そんなことを考えては、目頭が熱くなる

「試合見て吸収してきなさい」

お疲れ様でしたと挨拶をすると時間もあるため、各自まだ行われている試合を観戦しに行く
体育館内へ入るとまだ熱を持っているその暑さにさらに自分たちは今回ここに参加できないことを知らしめられる