その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ23)

今日:178 hit、昨日:388 hit、合計:40,618 hit

72 ページ23

「準決勝負けかー惜しかったな」

「クラスマッチでガチれないのよ」

「部活でやったらはっ倒すけどな」

「俺がいつ部活で手抜いたってか？やっくん」

5月にもなると気温も高くなり、半袖でも暑く感じて来る頃
体操着の袖を片方肩まで捲った黒尾とその横を歩く夜久
2人のクラスは、2人以外バレー初心者が揃っていたうえに
クラスマッチでは、サポートに回ることが多かったため、準決勝で敗退した

そしてそのふたりが向かう先は

「おー、やってるやってる」

「育てたAちゃんはどんなになってるかな」

第2体育館へ向かうと、多くの観戦者が集まっていてコートでちょうど2ー3と3ー1が戦っている
海や、リエーフ、孤爪達もいて合流すると、横に並んで試合を見る

「Aさんまた上げた！」

「おー、いい感じ？」

応援するリエーフに、夜久が聞けばさっきも上げてました！とテンションを高くして返事をする
女子同士のため威力はさほどないが、落ちてきたボールをしっかり上げ繋ぐAの姿に夜久も、大きく頷いていた

「A先輩ー！！」

「悩殺しろ悩殺！！ハニートラップやれー！！」

「A頑張れー！」

「うおおおおおー！！」

「Aさーん！俺見てますよー！」

などと、観客席から応援する声も響いてきこえ改めてAの友達の多さや、まったく知らない後輩の認知度を実感する
隣のリエーフなんかは山本とともに作った自家製の団扇をもって、振り回している

『桜木、風評被害やめて！リエーフ恥ずいから！』

リエーフ達の応援が聞こえたのか、こちらを振り向いて目をつりあげているAは黒尾達が合流したのに気づき、ニッと笑いブンブン手を振った

「授業参観で保護者見つけた子供見てぇだな」

「可愛いねえ」

黒尾が手を振り返しながらも苦笑いして言うと、隣の海もうんうんと頷いている

「あ、スパイク空ぶった」

「どっかで見た光景だな」

「なんで俺を見るんスかー！！」

孤爪も面白そうに眺めている。空いっぱいに上がったボールをジャンプして打とうとするが、スカッと音がするように空振りボールは地面に落ちていく

「どんまいA」

『ちょ、凪沙笑わないでよ！』

そんなこんなで楽しみながら満面の笑みでスポーツをするAは見ていてとても癒される
クラスマッチの為に海や黒尾、孤爪に頼み込んで一生懸命練習していたAの姿を思い出して、今を全力で楽しんでいた

そして結果は、3ー1の勝利

負けたとしてもメンバーと肩を組んでお疲れ〜と笑っている
少しの期間だけだとしても、こうしてAがバレーを楽しんでくれたことに満足する黒尾達だった