その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ20)

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Aが特訓をしていることも猫又達は知っていて、Aも混じってきていいぞ。とコートですごい迫力で戦う彼らを見て、冗談交じりに言ってくるが、死にます。と真顔で返す

「さっきのAの顔初めてバレークラブいった時のクロに似てた」

「俺も新鮮な気持ちになったわ。早くバレーやりたくなった」

「Aは不思議な気持ちにさせてくれるよね」

「俺やりたいこと見えてきたかも」

「？？」

先程の特訓会を思い出して休憩中の孤爪と黒尾が体育館の壁にもたれ話していた。急に言い出した黒尾はまた何か静かに燃えていて真っ直ぐ見つめる目

Aがクロに似てきたのか、クロがAに似てきたのか

見てて面白い2人を思って、孤爪はフッと笑った

「やばい、あと5分休ませてください〜っ！」

さきほどのレシーブ練でくたばっているリエーフの手を引っ張り立たせ、背中を押してコートに向かわせる
わしゃわしゃと撫でられた頭をブルブルと振り、研磨さん！頑張りましょう！とネット越しにいる黒尾と芝山に意気込む

───インターハイまで残り3週間

〜〜音駒小話〜〜

約束の調理実習の日

「Aちゃんとアップルパイ作れたのかな」

「そのために頑張ったのに無かったら口聞かない」

放課後練前海が部室でゲームをしている孤爪に聞く
今日の5限に調理実習だったため、HRは女子無しで終わり、孤爪はAに合わずに部活に来た

ぞろぞろと部員も揃い体育館へ向かおうとした時、コンコンと部室のドアが鳴った

『お疲れ様です……っ！』

ハァハァと息を切らしたAは、未だに制服姿で急いで走ってきたのだろう
どうぞ、と中へ招くとカバンからゴソゴソと袋に入った物を取り出し、孤爪に渡した

『約束の調理実習で作ったアップルパイ！』

ポンっと手に置かれた袋の中には綺麗なアップルパイが入っていて、夜久が感動したように中身を覗いているが、Aはモジモジと何か言いたげであった

「おお、すげぇ！ちゃんと作ってきたんだな！」

『って言いたかったんだけど…実は美味しすぎて全員で食べちゃって、家で事前に作ってきた…』

『とか言えればいいんだけど、お菓子作り苦手で、そこのコンビニで買ってきて包装した……』

「「え……」」

一瞬部室がシーンとする中、すみません！と頭を下げるA
そして部室が大爆笑に包まれる

「ブワッハハ！！なにしてんだよコイツ！」

「Aちゃん、そこは突き通せばよかったのでは…っ笑い死ぬ」

孤爪は少し頬を膨らまして拗ねながらも約束を仮に守ったため許してくれた