その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ19)

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音駒高校春の球技大会に向けて
Aのバレー特訓会がすでに始まって4日が経とうとしていた
朝イチは時間が無いため、放課後練前や後に少しずつ
今日も四限が終わったあと、体育館へ行くと、孤爪に声をかけトスを上げてもらう

「研磨さん！トスあげてください！」

『わたしもわたしも！』

「リエーフに加えて、Aまでめんどくさい…」

1日目、2日目は夜久や黒尾にレシーブを
3日目からは、打つ練習をし始め、唯一のセッターである
孤爪がモテモテ状態であった

「Aのレシーブどうだったの？俺用事あって、残れなかったけど」

「まあ普段からボール拾いやらしてるおかげで、ある程度落ちてくる位置は分かり始めたかなくらい」

「ハハハ、なんか子供のクラブ活動見てる気分になるね」

『リエーフは後からできるじゃん！今は研磨のこと譲ってよね』

「後でもできるけど、俺もトス打ちたいですー！あとAさんと練習できるの嬉しい！」

海と夜久が、リエーフと何故か言い合いをしているAを見て、父親の風格でコート外から見ていた
おースっと声が聞こえると黒尾と山本、福永も入ってきて恒例になってきたバレー特訓会を見て笑っている

「あの研磨が部活以外でトス上げてるの珍しいな」

「最初は嫌がってたけど、今度の調理実習で作るアップルパイと引き換えに…ってさ」

「うちじゃ、調理実習の授業なぜか女子だけだもんね」

「やる気無し男を女子の特権で釣ったのか…！」

海と夜久のとなりに黒尾も並べば、調理実習の話になり、アップルパイで研磨を誘導したAを見て、悔しそうに顔を顰めた

『って、あれ。やっぱりネットに当たっちゃう』

「うん。Aにはちょっと厳しいかも」

「俺は出来ますよ！」

「リエーフはできてあたりまえ…」

『うーん…やっぱり背低いし、腕の力もないから無理かな
レシーブ練習したほうがいいか』

何度もボールを打つが、威力が弱い上に、手がネットからまず出ていない。決まるボールもネットに当たってしまい入らず、
眉を八の字に下げてネットを見上げるAをみていた黒尾
その様子が幼い頃の自分を見ているようだった

「なら、ネットを下げればいい」

腰に手を起きながらそう言ってきたのは黒尾だった
そして山本や芝山が指示され下げ始めた
40cmほど下がったネット
孤爪に何度もお願いしてトスを上げてもらう

そしてやっと決まった1本

『やった！！決まった〜〜〜！！研磨ぁ、ありがとう！！』

何度も挑戦して決まった時には周りも拍手をしてしまった
そして汗を垂らしながらも満面の笑みで楽しそうに喜ぶ姿を見た