その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ18)

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「えー、そういう感じなので、確競技に別れてそれぞれトーナメント表作成しといてくださーい」

気だるげな委員長がそういうと、今日は終わりーと挨拶をして終わった。わりと20分ほどで話は終わり、それぞれ部活へと急ぐ者もいた

「俺サッカーいってくるな！トーナメントのやつは先輩作ってくれるって！」

『わかったー、頑張ってね』

じゃっ！と元気よく手を振って走って出ていく桜木や佐賀美達もぞろぞろと帰ろーと教室を出ていき、Aもそろそろ行くかあと立ち上がると、隣の黒尾は未だに頬杖をついてAを見つめていた

『部活行かないんですか？』

「思ったより早めに終わったし。もーちょっと」

教室には2人きりになり、静かな空間で黒尾は机に寝そべった
Aもまあいいかと椅子に座り直し、空を眺めると太陽が沈み始め、光が教室に入る

『先輩と同じ教室にいるの変な気分』

「やだ、Aちゃんったら積極的〜」

『そういう意味じゃないです』

女子声を出してふざける黒尾を睨めば、ハハッと笑っていて
相変わらずのマイペースに、Aも笑ってしまう

「ちなみにそこ俺の席」

『え、窓側の後ろから二番目？』

そうそうと指をさせば、席からAは立ち上がり、黒尾の席に座って、おお〜と歓喜の声を上げた

「なんだその反応」

『ここが先輩がいつも見てる景色か〜』

「俺はもうちょい身長高いからこんくらいだね」

そう声が聞こえると黒尾もすぐ後ろに立っててAの耳あたりで話し出す。近くにくると、黒尾の柔軟剤だろうか、大人っぽい香水のような匂いがした
部活の時は、制汗剤の匂いがするがらそれとは違って少し緊張してしまう

「なんで固まってんのよ」

『いや、急に耳元で話されると！！あっ…』

反抗の意味だろうか、黒尾の方に顔を振り返るA
が、意外にも距離が近すぎて、長いまつ毛が見えるほどであった。声を小さく漏らすAは、直ぐにまた反対方向を向いてしまった

驚きのせいか高まる鼓動
整った顔が近くに向けられると、黒尾でさえも少し動揺してしまう

「悪ぃ、近すぎた」

『い、いえ！ぶ、部活戻りましょう』

これ以上近くにいられるのはまずいと、Aは立ち上がると
黒尾も頷いて、荷物を取った

『同級生になったみたいで、楽しかった！』

未だに頬を赤くしているが、満面の笑みで二ヒヒと笑っているAに、こいつの愛嬌はほんとにすげえなと感心する黒尾だった

「制服の黒尾さんカッコイイでしょ」

『自分で言うから私は言わなーい』

「正直になんなさいよ」