その瞳に映るのは 2【ハイキュー】 (ページ12)

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「田中さんどうしたんですか？」

「ああ、あいつな。ちょっとした病気だからほっとけ」

「どうせ、音駒のマネージャー見て目がおかしくなったんでしょ」

天に召されそうな顔をして体育館へ入ってきた田中を見て影山がユニフォームに着替えている澤村に聞けば、呆れ顔でそう言った。隣にいた月島もププッと口に手を当て悪態をつけば、周りで着替えていたメンバーも音駒のマネージャーの方へ視線を向ける

「わかるぞ、龍！流石に……可愛すぎる」

オレンジのユニフォームを纏いキリッとしたドヤ顔で田中をフォローする西谷だが、田中と同じ類の生物なので、その他は、はいはいとスルーした

「Aちゃんモテモテですね〜」

『烏野は潔子さん以外マネージャーいないんで珍しいだけですよ。あ、芝山後で動画撮るからその時手伝って欲しい』

「了解ッス！」

ニヤニヤしてそう話しかけてくる黒尾に、バカにされたかと思い冷たく返せば、そうには見えねーけども。と真顔で言われる

『黒尾先輩も向こうのマネ気になります？』

「いんや、俺はAちゃんいてくれるだけで十分です」

黒尾の言葉に素直に嬉しく思い、良かった！と下から見上げられ見せられた笑顔。少し照れたのか頬が赤くなっていて、可愛いなぁとフッと笑う

「だよなぁ。それで物足りないとか言ったら、足蹴りいれるとこだったわ」

「やっくん、僕がそんなに薄情者に見えますか？あと足少し上げてるのやめて！」

ふざけ合っている2人の横で、海はAに寄ると、「他校のマネージャーとすぐ仲良くなれる所すごいよねぇ。いっぱい吸収してきな〜」と微笑みAの頭をそっと撫でる

『はい。私ももっと成長しなきゃなので』

ボトルをギュッと握り、烏野で動く清水の姿を見つめている
流石3年生ということもあり、抜け目なく選手の状態を把握して動く姿はとても美しい

静かに闘志を燃やしているAは、少しずつ仲間の負けず嫌いに似てきたかなっと改めて思い、その様子に猫又もうんうんと嬉しそうに頷いていた

「アップ始めるぞー」

「「オァーッス！」」

黒尾の掛け声により動き出した音駒
そして烏野もアップに入る

「A、ここ数日でだいぶ動けるようになってきたな」

「まあ、考えて好きにやんなさい」

アップの掛け声が響く体育館
直井と猫又もAに声をかける
宮城遠征で何度も練習試合を繰り返し、初めは緊張していたものの人との関わり方、選手への声掛け、状況把握
試合中の戦い方の記録、スコアなど様々なことを覚えていった

『はい、今日は気合いいれますよ』