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「そんで、黒尾先輩とはどんな感じなの?」

『黒尾先輩は私の事後輩として気にかけてくれているだけなのかな』

「話聞く限りじゃ分からないけど…毎日連絡はとってんでしょ?」

こくりと頷き、あの人誰にでも面倒見いいからな〜と天を仰ぐAは、珍しく悩んでいる様子で、3人も腕を組んで考え込んだ

確かに黒尾の噂は一つ下の学年でも、耳にすることがある。
高校生とは思えない大人っぽさや、ビジュアルも身長も持ち備えている黒尾に憧れの視線を向けている女子が何人か居ることももちろん知っている

それゆえ黒尾の同学年の女子やクラスの女子は放っておかないのではないか。そして、誰にでも優しさや気遣いを見せる黒尾はAを特別視している訳では無いのだろうか。などと頭の中で議論を交わす


「考えてもしゃーない。Aは部活一緒だし、これから関わることいっぱいあるんだからチャンスはあるよ」

『部活かー…恋愛とかしてる余裕あるのかな。春高も控えてるし』

「あー、確かに全国目指してるもんねバレー部。部活終わるまでは恋愛一切しない系の人だったらAの恋が儚く終わっちゃうよ!?」

「うわ、、それはきつい。そんなことあったらAは、今後部活で生きていけないでしょ」

『確かに振られたら顔合わせ出来ない気がする!』

ガーンッと落ち込むAを他所に、奈々愛莉が、2人で話し合いをしている最中、凪紗ひとりコンビニのアイスカフェラテをズズっと啜り、スマホを眺めていた

「これ行ってこれば?」

凪紗のスマホの画面を机に伏せ顔だけ向ければ、その画面には東京で行われる花火大会の広告があった

『8月5日…明後日じゃん』

「部活以外に2人で出かけるか、いいね。誘ってみて損はないよ、A!」

「断られたらその時は悲しいけど察しな、事前に気持ちを知っておくのも大切だ。てか私もそれ電話で陽斗と話してたわ」

まだ項垂れているAの肩に手を置いて、後押しする奈々と愛莉。未だに悩んでいる様子で、今電話しよ!と自分のスマホを手に持たされる

『え、今?』

「今しかないっしょ。明後日だよ、もう目の前なんだから!!予定埋まっちゃう前に早く早く」

明らかに本人より楽しんでいる様子の愛莉にムゥッと頬をふくらませて、心を決めて正座しなおしたA。その周りには静かに興奮している2人と、頑張れーと応援する凪紗
フーッと深呼吸して、スマホのメッセージアプリを開き、黒尾の通話ボタンを押した

3回のコール音がなる。
ドキドキと心臓は跳ね上がり、切ろうかと思った時

《おー、どうした?》

いつも聞いている声が耳にダイレクトに伝わった

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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時

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