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「なるほどね。で、あんたはぼっくんのことどう思うの？」
『一緒にいて楽しいし、素直で可愛いなあって思うことはあるよ。』
「抱きしめられた時になんか思ったん？Aは恋愛ウブじゃないんだし、好きか好きじゃないかくらい分かるっしょ」
『うん…特に。そりゃ男の人だから緊張はしたけど、なんか違うんだよね。』
真剣な議論に入り、奈々達も腕を組んで一大事だとAの話を聞いている。木兎のことは恋愛として好きという感情では無いことが分かり、何だ〜と3人は力が抜けた
「まあ拓海と色々あった後だし、すぐに好きな人できる訳でもないか」
「そうだよね。いやー良かった、Aがまだフリーでいてくれて。一緒に好きな人探そうね」
「ちょ、奈々。拓海の話出さない方が……」
別れた元彼のことを話し出した奈々に、凪紗が心配の表情見せる。奈々も悪気があった訳ではなく、ヤバっ…と口を押え、Aを見ると何も言わずただ下を俯いて何か考えている様子である
『……』
「ご、ごめん。まだ拓海のこと思ってたり…する…？」
「A、大丈夫？」
「そりゃあんな別れ方だったら納得行かないのもわかるよ」
3人とも焦った様子で、俯いたままのAに声をかけ、なんとかフォローしていると、『あのさ私…』と小さな声が聞こえて、緊張した様子で唾を飲み込んだ
(やばいやばい、傷口に塩塗ったわ)
(奈々のバカ！)
(A怒っちゃった……？泣いてる……？)
『黒尾先輩が好き』
「「「え？」」」
予想外のAの告白に全員目をパチクリさせていて、
はぁ〜スッキリした！と、明るい表情をしたAを見ている
「「 「はァァァ！？」」」
「いきなりすぎでしょ！え、今の流れで黒尾先輩！？」
「いや、黒尾先輩が候補にあるのは分かるけど、え、何故！？今言った！？」
「こいつまじで考えてること分かんないわ」
『何そんなに慌ててるの。あ、拓海のことはもうどうでもいいから話してもなんとも思わないよ、平気！』
大丈夫大丈夫とヘラヘラ笑っているAに、3人は頭を抱えて、毎度驚かされるわ……と疲れた表情でため息をついた
「……んで、なんで黒尾先輩なの」
「まあ球技大会の時からそんな雰囲気はしてたけど」
『木兎さんといる時はさ、新しい冒険してるみたいな感覚なの。知らない世界が知れてワクワクする的な。でも、黒尾先輩といるとずっと落ち着く反面、たまにものすっごくドキドキするんだよね。合宿の時も2人で夜話してて、もう手汗凄かったんだよ私』
出会った時から憧れた先輩に、Aは一瞬にして恋に落ちたのだ
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作者名：ぱるむ | 作成日時：2024年3月20日 6時
