142 ページ43
「あと2週間で夏休み終わんのありえない」
「部活ばっかだよ〜」
「てか課題終わったー?」
『全然終わってない数学ほぼ残ってる』
「数学見せるから、英語教えてお願い」
8月に入り、久々4人で奈々の家に集まり部屋でグダグダと喋っている。クーラーがきいているな奈々の部屋は外と違い涼しく居心地がいいため、全員がだらけ切っていると、誰かの携帯から着信音が鳴った
「あ、ごめん陽斗から電話きた。待ってて」
「はいはい。行ってらー」
夏休み前に付き合いだした奈々
彼氏はバスケ部のエースだと言う
バスケ部と聞くと嫌な思い出しかないAは、顔を顰めて奈々を見送った
「奈々部活中隣のコートで男バスやってる時、ずっとイチャついてんのよ…」
「へー、愛しの夜久さんはどこに行ったんだか」
「A合宿あったんだっけ?どうだったん」
『宮城の烏野っていうとこが1週間で成長しててさ、
セッターが特に上手いんだけど、1年生の日向っていう子との速攻がさらにレベルアップして、あ、でもツッキーていう1年の超身長高い子がブロック練習参加するようにもなってね』
奈々が部屋を出ていったあと、愛莉が聞くとバレーの用語を使って目を輝かせて話すAに「そういうことじゃなくて……」とゲンナリとした顔をした
「愛莉が聞きたいのは男のことでしょ」
「そうだよ!バレーの詳しいことは私は分からん!
例のぼっくんやら黒尾先輩やら奈々の愛しの夜久先輩やらハーフイケメンのリエーフくんやらなんなら研磨くんとでも何も無いわけ!?1週間も時間を共にして」
『え、うーん……』
凪紗が弄っていたスマホをポンッと机に置いて、Aに目配せをすると、恋バナしたい!と興奮した様子で愛莉は質問するが、合宿を思い出して困ったように眉をひそめたA
『抱きしめられた』
「「はぁ!!??」」
少し顔を赤くして俯いて爆弾発言をしたAに、ちょっと待てと2人は大きな声で叫んで、身を乗り出した
「誰に!?いつ、どういう流れで!?え……!?」
「展開早っ…おそろしい女…」
『木兎さんだけど』
「ぼっくんだァァァ!!!」
愛莉の声が部屋中に木霊すると、同時に奈々が戻ってきて、一体何事だと部屋を見回した
「奈々ァ!!聞いて、この子ずっと春なの!!もう夏なのに!!私は春なんてこなくて冬なのに!!」
うわぁぁぁんと奈々の足にへばりついて喚き声を出す愛莉をウザそうに避けて、Aの横に座り事情聴取を行った
「ぼっくんえぐいわ」
『いやでも、誰にでもフレンドリーだし』
235人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時