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「最悪、本当に最悪」
「すんません研磨さん……」
「ぎゃははは、いい気味だぜ研磨!」
巨体が突進してきたせいで、孤爪も全身海水がかかったことから孤爪を含めた全員で水かけ大会が始まった
周りは皆水着を来ているが、彼らだけは部活着のまま遊んでいる様子異様であった
『はあ…もう無理…』
「研磨さん意外と力強い…怖かった、、」
「リエーフのせい」
『私も黒尾先輩に担がれて落とされた』
男女関係なしに始まったバトルで疲弊しきっていて孤爪、A、リエーフと共に砂浜に座り込む、髪の長いAは水が滴るほどずぶ濡れだ。夜久と黒尾は未だに海の中で殺りあっていて、その傍では山本が倒され水面に浮いていた
「はい、3人とも飲む?」
『わ、ラムネだ。いいんですか?』
「さっきお店の人と仲良くなって余ったからいっぱいくれた」
そう言って、ラムネを袋に大量に入れて持ってきた海
誰にでも優しい彼はこういう所でも気が利く先輩だ
瓶のラムネを開けて疲れた体に一気に流し込むと喉がヒリヒリとするがすっきりする
「なんかいいよね、こうやってみんな遊びに来るのも」
「俺の提案のおかげっすね!」
『えー、それ自分で言う?でもThe☆青春かも』
「まーた言ってるよAちゃん」
海も3人の横に座り、キラキラと反射する波をみていれば
前にはずぶ濡れの黒尾と夜久が浜へあがってきていた
『青春は青春だもん』
「海きただけじゃん…」
『はいそこ、口出ししなーい』
ラムネを少しずつ飲みながら、意味わかんないと顔を顰めている孤爪。その横では黒尾達も海からラムネを貰いグビグヒ飲んでいる
「まあいいじゃないの、残り少ない高校生活
みんなで楽しんでるわけだし」
「そうだね、全員でいられるのもあと1年だしな」
「その前に春高行かねえと終われないぞ」
3年2人も、波をみて思いを馳せていると仁王立ちした夜久がごもっともな意見を言い、全員はゲッと顔を歪ませた
あと3ヶ月程で春高予選も始まる。彼らはゆっくりしている暇などないが、バレー以外で楽しむことも重要なのである
『またみんなで来れるといいな』
「春高終わったら来ようか」
「げっ、冬の海かよ、さみぃよ」
「夜久さんは体小さいから寒さに敏感なんすね!」
「いやそれ関係ねえだろ、また蹴られるぞ」
「あ、いてっ!!!」
江ノ島へきても彼らの様子は変わらない
夕日が沈み始めているころ、全員砂を払い電車に乗り込んだ
(あ、Aさん寝てる黒尾さん席変わってください)
(よっぽど疲れたんだな)
(お前には任せられんな、遠くから見とけ)
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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時