その瞳に映るのは 3【ハイキュー】 (ページ40)

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『気をつけてね、またね』

「やっちゃん、潔子ちゃんばいばーい」

「……っはいっ！本当にありがとうございやしたッ！！」

「仁花ちゃんまた会えるから泣かないで…」

夕暮れ、一足先に宮城の烏野は埼玉を出発するようで各自階段上まで見送りに出た。マネージャー同士挨拶を交わしていると、1年である谷地仁花はこの合宿でより一層の仲良くなったA達に涙をうかべ頭を下げた

「A！」

後ろから駆け寄ってきた西谷が声をかけると振り向いたA
初めの頃の緊張感はなくなり、今では同じ歳同士気が合う仲になっていた

『予選勝ち上がってね』

「おう、任せろ！」

「任せやがれ！」

『ちゃんと夏休みの宿題やるんだよ』

自信満々に胸を張っていた2人だが、急に現実的なことを言われ、ギクッ！と肩を揺らす。西谷田中の後ろには縁下が、ジトーっと目線を向けており、その顔に笑い出すAと山本

「あと読書感想文と、国数英のワーク残ってるんだよなお前ら」

「合宿中終わらそうと頑張ったが……あれは無理だ…」

縁下が、ため息をついて情けないと言えば、Aが縁下の肩をポンッと叩き『縁下先生頑張って…』と同情の目を向けた

「ガーッハハハ！俺達音駒は読書感想文無いからなァ！」

『何言ってんの、その代わり英語作文書かなきゃいけないんだよ、やったの？』

「エッ！！？？そうなのか！？嘘だろ……！！あれ任意じゃねぇのかよ！！」

余裕だった山本は一瞬で崩れ落ち、顔を真っ青にした。夏休みの課題に任意なんてねえだろ。と縁下は心の中で思い、お互い問題児を抱え頑張ろうとAと視線を交わした

「そういうAは、数学物理化学の大量のプリント残ってたよね。夏休み前の期末はなんとか赤点阻止できたけど危なかったよね」

『ヒッ……研磨それは内緒じゃん！シーッッ！』

「だって事実だし」

突如参加してきた孤爪の暴露により、Aが理系が苦手なのが縁下や西谷達に伝わってしまい、慌てて止めようとするがもう遅い

「おお、化学つったらあれだよな！スイへーリーベー」

『僕の船！』

「えっとおー、七曲シップス」

「クラークカ！」

西谷田中山本Aで声を合わせて化学の有名な暗記法を口に出して覚えてますよというアピールをする。やるなァ！！とお互いに背中を叩き合い惨めな励ましあいをする

「よっしゃこのまま夏休み課題もクリアじゃー！！」

「縁下！任せろ、大船に乗ったつもりで！」

『ヨーソローー！』

実は問題児の1人であるAを一瞬錯覚していた
縁下と孤爪はお互いため息をついてうるさい……と呟いた