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BBQも無事終わった。片付けのため男子は重い机を運んだり、グリルをしまい、女子は水洗いやゴミの回収を行っている。

「A、どこ行くの?」

『木兎さん、ゴミ捨て場に持ってく所です』

テーブルを片付け終わった木兎が外に出ると、大きなゴミ袋をふたつ抱えたAが歩いていて寄って行った
外は既にオレンジ色に染まっているが、ジメジメとした空気は変わらない

「貸して」

『え、持てますよ』

「いーの!俺に持たせて」

ヒョイッとAの手から2つのゴミ袋を奪いとると軽々しく持ち上げ、ニッと口角を上げる。大量のゴミが入った袋は意外にも重くて、助かり木兎にお礼を言う。普段は騒いでて、周りからも注意されていたり幼稚な面が見えるが、試合中でもぶるりと震えるくらいマジな目をしたり、たまに見える優しさのギャップにAの乙女心は微かに擽られる

「ここでいいんだっけ?」

『はい、そこに置いてください』

ポスッとゴミ捨て場に袋を置いて、身軽になった木兎はグルグルと腕を回して、満足気な表情である
隣のAに木兎はジーッと見つめていて視線を感じ、「なんだ?」と口を開いた

『さっき重いもの持ってる時思ったんですけど、筋肉すごいですね』

「あ、そう?すごい?」

腕の筋肉がギュッと締まり、形が浮き彫りになっていた木兎の腕は今はただスラッと長く綺麗な形である。褒められた木兎は、自信ありげに腕を伸ばし自分の腕をグルリと見渡した

『普段からスポーツやってる人は違うな、一気に男らしく見える』

「俺はいつだって男らしいだろ!!」

『え〜いつもは少年!って感じ』

ケラケラと笑っているAの腕は、確かに自分より細く女子ならではのか弱さが目に見えてわかる。ムッとした木兎は、立ち止まり、Aの目の前に手を差し出して握手を求めるようなポーズを取った

『握手?』

「違う、ここ触ってみて」

指をさされたのは、二の腕あたり
素直に木兎に近づき、二の腕をギュッと掴んだ
すると、広げていた手のひらを思いっきり握り腕全体に力が加わる。木兎の筋肉が浮かび上がりカチカチに硬くなっていて、改めて筋肉量に驚いた

『すごーい、ムキムキだ!』

「へへ〜、凄いだろ!」

『これだけ筋肉あれば、木兎さんのスパイクの強さに納得いきますね。』

「Aは細すぎて、ツッキーみたいに折れそう
しかも手も小さい」

手?と首を傾げると、ズイッと目の前に出された木兎の手のひら。Aも手のひらを差し出すとピタリと合わさった
指の長さから手のひらの大きさまですべて木兎の方が大きくて、こんなに違うのかと驚いていた

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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時

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