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「仁花ちゃん次向こうのテーブルにお皿運んでくれる?」

「あっハイっす!」

「あ、こっちにもお皿頂戴〜」

「ハイ、ただいまァ!」

全チーム試合が終わったあとマネージャーや監督組はこの後行われるBBQの準備で大忙しである。外の芝生の上を居酒屋店員のごとく往復して走り回っている谷地の額には汗が浮かんでいる

「おー、Aって意外に野菜切れるんだ」

『え、真子失礼だねそれ』

「いやあ、普段の様子見てたら包丁投げてそうでさ」

トントントンと玉ねぎを切り出した大滝にAは、最後の言葉に、え?と呆然とし手を止め大滝を見つめる。が、彼女は何も気にすることなく鼻歌を歌い手を動かし続ける。

「上手じゃん、Aの心配いらなかったね」

『え?』

「いやあ野菜ってどうやってきるの?とか言い出しそうじゃん」

後ろから顔を覗き込んだのは、雀田だった
改めて失礼なことを言ってきた彼女に、プクーっと頬を膨らます

『こう見えて家でもよく料理しますよ!私よく食べるから、ママがいない時見計らって』

「冷蔵庫泥棒じゃん」

『やだな、自給自足って言ってくれない?』

意地悪な笑みを浮かべた大滝に、反論するように両手をヒラヒラとさせ言えば、「いや、自給ではないだろ」と雀田につっこまれる

そうこうしているうちに、自主練をしていた彼らも外に出てきて、だんだんと人口が増える。外のテーブルには、おにぎりやお茶、スイカも並び豪勢である


『あー、最高…いい匂い…』

「はは、Aちゃんヨダレ垂れてる」

『あ、木葉くん小見くんお疲れ様です!めっちゃ私野菜切った』

見て見てと言わんばかりにグリルへAが切ったであろう野菜を並べている。ドヤ顔をして木葉達にアピールをするAをみて、うんうん可愛いなあ〜〜と癒される

『いっぱいあるからここで全部焼いていいですか?』

「いいよいいよ!俺玉ねぎだーいすきだから!」

「俺はピーマン大好き!」

デレデレとし出す木葉と小見を遠くから眺めていた赤葦
あの人達野菜嫌いな癖に。とやらしい先輩を冷たい目で見ていた。が、可愛い子からの頼みそして、その子が切ってくれた食材を食べなくて男にならない!そう思いがあり2人は、するりと嘘を吐く

『よかったー、いっぱい食べてくださいね』

「「ありがとAちゃ〜ん!」」

手を振り1番遠くのグリルからマネージャー付近のグリルへと戻る。その一連を黒尾や孤爪も見ていて、Aの心の内を読み取った

「あいつ1番遠いとこに野菜ばっかり置いて、肉多く食べれるように仕向けてるな」

「姑息……」

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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時

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