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「ええ、じゃあここにいる全員彼女いねえの？！」
菅原孝支の声が風呂場に響いた
その場にいるのは湯船につかる澤村、東峰、黒尾、夜久、海であった。なんとなく時間が被ってしまうことが多く今日も6人で風呂に入っていた
普段バレーばっかの大男達は、初めて女子トークを始めていた
そんな事の発端は、菅原が一言吐いた「青春してーなー」という言葉であった
「何言ってんだスガ、部活も十分青春だろ」
「はぁ〜わかってないわ〜。この人なーんにもわかってない
俺が言いたいのは女子と出かけたり、キャッキャウフフと微笑み合いたいってことなんだよ！」
「スガ、田中みたいだぞ」
ザブンッとお湯が波打つ音がした
いつもは爽やかに見える彼だが本性を見せ始め、意外にもホットな男なのだ。そしてお前ら彼女いんのか？！と血走った目で全員を見ると首を振られ安心したように再び湯船に浸かる
「まあでも、今は春高前真っ最中だし受験も控えてるだろ。恋愛なんてしている暇なんか無いんじゃないか？」
中三から彼女がいないと言っていた澤村が、確かなことを言うが、菅原はじっとりとした目で口を尖らし呟いた
「お前は道宮がいるからいいな……」
「ちょ、スガ！シーッだって！」
「は？道宮？」
鈍感な澤村は無視して、東京ボーイズ達はどうなんだよ！と問いだした
「まー、恋愛に時期もどうこうも関係ねーよなあー」
「俺はタイミング見てかな」
「黒尾は？」
「俺はいつでも彼女ができたら幸せにする覚悟はありますよ」
キリッとした表情でカッコつけた黒尾に、澤村が「余裕がうざいな！」と水鉄砲をして顔面にかけた
ぺっぺと水を拭い、「お前ら好きな子くらいいるだろ？」と聞き返すと、首を振られダメだこれは。と恋バナにもならない
「普段女子と関わんないもんな…」
「いるだろ、マネージャーが二人」
東峰が肩を落として言うと、夜久が思い出したかのように指をピンッと2本立てた
「いやいやいやいや、清水だよ？あの清水、結婚出来たらそりゃもう有難いというか歓迎なんですけど…恐れ多くて無理」
「スガちゃんの恋愛観バグだろ。あー、じゃあもう1人の小さい子は？」
「あー、やっちゃんか。なんだろうなあ……年下感がありすぎて恋愛感情にならない。いい子なんだよ、小動物系で可愛いし！だけど、俺らみたいなゴツイのがやっちゃんと、ねぇ……」
「やっちゃんなら日向とかの方が合いそう」
ほぼ菅原は質問に返しているが、周りもウンウンと頷いていて同感のようだ。2人がダメなら、もうお終いだと夜久が両手をヒラヒラとさせる
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作者名：ぱるむ | 作成日時：2024年3月20日 6時
